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虹のコヨーテ#1

 
RainbowCoyote00_20120927042047.jpg


 いにしえの昔、ディネの男たちとアステカの民はコヨーテを「歌う犬」と呼び、いたずら好きの神として敬った。彼らはコヨーテが太陽と死と雷とたばこをもたらしたと信じて疑わなかった。


 Who is the Coyote?
 I already answered that question.
 I am the Aimless Coyote.
 Why am I aimless?
 Beats me.

 If I had a coherent answer,
 I wouldn't be aimless, now would I?

 Where?
 Somewhere in JAPAN
 Coyotes live most everywhere,
 Even Tokyo City.
 Coy is everywhere!

 When?
 About five minutes ago.
 And in 1977.

 Why?
 Why not?
 Because the internet needs
 Another rambling website.
 Don't you agree?
 If you don't agree,
 Hungry Coyote angry.



coyote00.jpg UluruRainbow02.jpg

 ウルルにかかる虹の麓から走りくるもの、旅のはじまり
 ウルルにかかる虹の麓から七色のコヨーテはやってきた。私を見すえて突っ走ってくるコヨーテの姿は秋の初めの陽の光をうけて輝き、美しかった。
 虹とウルルと七色のコヨーテ。
 私は胸のふるえを抑えられず、その場にへたりこんだ。気を取りなおし、IMAGE MONSTER 2.0を組み込んだEOS 7Dをかまえて七色のコヨーテに向ける。同時に七色のコヨーテは私に飛びかかり、私をがっしりと抑えつけた。指一本動かせなかった。七色のコヨーテの筋肉の動きのひとつひとつが伝わってきた。私は「ああ、これでやっと死ねる、腐った世界とおさらばできる」とうれしくなった。小躍りしたかった。だが、ことはそう簡単にはいかなかった。
「まだ、当分、死なせるわけにはいかねえよ。おれは虹のコヨーテ。これからおまえと旅をする」
 七色のコヨーテが嗄れた声で言った。そして、私の左頬を右前脚で叩き、「しゃんとしろ!」と怒鳴った。怒鳴ったけれども、なにかしらあたたかみとなつかしさのある言葉だった。私はうれしくて泣きだしそうだった。「さあ、出発だ」と七色のコヨーテがうながす。私と七色のコヨーテはならんで歩き出した。奇妙な旅のはじまりだった。


TONYLAMACY825.jpg BIGMACnelshirtsred01.jpg LovelessKnife03.jpg MartinD28large.jpg

 TONY LAMAその他の完全性
「その姿では旅は難しいんじゃないだろうか?」
 私は虹のコヨーテにたずねた。虹のコヨーテは少し目を細め、ウルルにかかる虹を見ていたがやや間を置いてからゆっくりと顔をこちらに向け、言った。
「おまえたち人間がだめなのは物事の本質を見極められないことだ」
 虹のコヨーテの言うとおりだ。だが、いまの問題はコヨーテの姿のままではバスにも列車にも乗れないし、食堂にすら入れないということだった。私が思ったとたんに虹のコヨーテが言った。
「そんなことは先刻承知だ」
 私が足元に転がっている奇妙なかたちの石ころに目をやった一瞬の隙に虹のコヨーテの姿は精悍な若者に変わっていた。虹のコヨーテの瞳はトスカーナの海のように深いブルーで、見つめられるとどきどきした。虹のコヨーテが穿いているジーンズはラングラーのカウボーイ・カット13MWZだった。腰には5万ドルはしそうな R.W. ラブレスのカスタムメイド・ナイフが光っている。ビッグ・マックのネルシャツにはGERRYのあざやかな赤のダウン・ベストをあわせていた。ビッグ・マックのネルシャツはとがった襟の形状から1970年代初期のものであることがわかる。帽子はステットソン社製の黒のカウボーイ・ハット、Diamante 1000Xだ。ビーバーヘアにチンチラの毛がブレンドされている。カウボーイ・ハットの名品中の名品。TONY LAMAのウエスタンブーツ CY825 CHOCOLATE LIZARD はまぶしいくらいにピカピカで、ウロコの一枚がときどき私にウィンクをしてきた。私もウィンクを返したがみごとに無視された。
「あんたのような愚か者にウィンクされたってだれも喜びゃしない。あきらめな」と虹のコヨーテは手きびしいジャブを放ってきた。だが、やはり虹のコヨーテの言うとおりだった。さらに驚いたことには彼のかたわらには使い込んであちこちニスの剥げたマーティンD28が置かれていた。つまり、虹のコヨーテは完璧だった。一分の隙もないのだ。私は自分が穿いているくたびれ果てたリーヴァイスの501をその場に脱ぎ捨て、火をつけてしまいたかった。


BuffaloStone01.jpg HerdofBison00.jpg SheepMoon00.jpg coyote06.jpg

 導きと「そのものたち」と月の羊
「精霊と宇宙を支配する巨大な意志の力の導きがはじまったんだ」
 虹のコヨーテがグレープフルーツ・ムーンを見上げながら言った。虹のコヨーテのからだが目映く輝きだす。遠くから地鳴りのような音がゆっくりと近づいてくる。
「くるぞ」
 虹のコヨーテが低く唸る。月の光に照らされて私にもやっと「そのものたち」の正体がわかった。「そのものたち」は青白く輝く無数のバッファローの群れだった。群れの先頭にはひときわ強い輝きを放つ羊がいた。禍々しく巨大なツノを持つスコティッシュ・ブラックフェイスだ。邪悪な羊が巨大なツノを振り立て、滑るように虹のコヨーテに近づいてくる。禍々しく巨大なツノは憎悪の塊ともみえる。羊は速度を増しながら目の前に迫る。周囲にいやな臭いが立ちこめる。月の羊はツノを一段と下げて虹のコヨーテの胸のあたりに突き立てる。虹のコヨーテは俊敏な動きで月の羊の攻撃をかわすと喉元に食らいついた。絹の布を引き裂くような鋭い音がして月の羊の喉から鮮血が吹き出した。血はみるみる大地を染め、月の羊は息絶えた。月の羊の死とともにバッファローたちは地響きを立て土煙を巻き上げながら走り去った。あとには深い闇と虹のコヨーテの息づかいだけが残った。


CarnegieaGigantea01.jpg

 月の羊の死、神の幻影
 虹のコヨーテは月の羊のツノの一撃をうけ、胸のあたりに深手を負ったようだった。傷口から血が滴っている。虹のコヨーテは身を横たえ、傷口をなめつづける。出血はやみ、傷はみるみる小さくなり、ついには跡形もなく消えた。虹のコヨーテは顔を両前脚のあいだにうずめ、眼をとじた。しばしの休息に入ったようだった。虹のコヨーテのやすらかな寝息を子守唄がわりに私も眠ろうしたが気持ちの昂りはなかなかおさまらない。仰向けに横たわり、夜空を見上げる。ウルルの真上に月がかかっている。かたわらの巨大なハシラサボテンのカルネギア・ギガンテアが月光を受け、かすかに揺れている。やっと、深い眠りがやってきた。 
「私もいっしょに連れていってくれませんか。200年のあいだ、ずっとあなたたちを待っていたんです」
 私と虹のコヨーテが出発の準備をおえたとき、月の光を浴びて踊っていたカルネギア・ギガンテアが口をひらいた。カルネギア・ギガンテアの右の腕にとまっているサボテンミソサザイがうれしそうに羽根をふるわせている。虹のコヨーテがもどかしそうにカルネギア・ギガンテアを見つめていることに私は気づいていたが、そのとき、私はやっと理解した。虹のコヨーテはカルネギア・ギガンテアを旅に誘っていたのだということを。
「いいよ。はやく支度しな」と虹のコヨーテは満足そうな表情をみせて言った。「ところで、あんたの名は?」
「人間は私を”神のペヨーテ”と呼びます」
 カルネギア・ギガンテアが答えると、虹のコヨーテは満足げに足を踏み鳴らした。グレープフルーツ・ムーンは高く遠く、静かに私たちを照らしている。


aborigine12pac01.jpg Didgeridoo00.jpg KataTjuta00.jpg

 12人の戦士、ディジュリドゥ、カタ ジュタへ
「カタ ジュタを目指す。途中、アボリジニの戦士と会う。くれぐれも無礼無作法のないようにな。かれらはディネの男たちとならんで、宇宙でもっとも誇り高い人々だから」
 虹のコヨーテは噛んで含めるように私と神のペヨーテに言った。私と神のペヨーテは黙ってうなずいた。 
 ウルルを出発してすぐにアボリジニ戦士の一団に遭遇した。12人のパックのナイフの切っ先のように鋭い24個の眼光がいっせいに我々を射抜いた。虹のコヨーテでさえ唇をふるわせたほどだ。それくらいアボリジニ戦士の眼光は鋭く、威厳に満ちていた。虹のコヨーテが彼らに駆けより、なにごとか話しかけると、彼らの表情からみるみる敵意が消え去り、親和的でおだやかな空気が辺りを満たした。 
「いい旅を。大地のヘソがいつもあなたがたとともにありますように」 
 別れぎわ、アボリジニ戦士のリーダーは言い、虹のコヨーテにディジュリドゥ、大地の管を手渡した。かわりに虹のコヨーテはマーティンD28を差し出したが、戦士はけっして受け取とろうとしなかった。姿が見えなくなっても、戦士たちがはなむけがわりに奏でるディジュリドゥの唸るような音はいつまでも聴こえていた。赤茶けた大地を通しておおらかで逞しい力が注ぎこまれるように感じられた。大地を踏みしめるたびに力が漲ってきて、このまま冥王星までも走りつづけられるとさえ思う。彼方のカタ ジュタに真っ黒で不思議なかたちをした雲が近づいている。


Sandstorm01.jpg bonfire00.jpg sappheiros003.jpg


 砂嵐、石をみつめる少女、長い夜のはじまり、小さな焚火を囲んで
 巨大な砂嵐がわれわれの背後に迫っていた。
「厄介なことになったな」
 虹のコヨーテが言うと、私と神のペヨーテは顔を見合わせ、手を握りあった。神のペヨーテの棘が刺さって痛かったが我慢した。
「あのブッシュの先の岩かげに避難しよう。このダスト・ボウルは尋常ではない。とてつもない悪意と憎悪を感じる」
 虹のコヨーテは言うと、駆け出した。私と神のペヨーテもあとにつづいた。そして、岩かげにうずくまる美しい少女に遭遇した。ブルー・サファイアの化身、石をみつめる少女だった。岩の裂け目に逃げ込むと同時に猛烈な風と砂つぶてが襲ってきた。そして、長い夜がはじまった。 
 焚火の炎は静かに燃えつづけた。虹のコヨーテ、神のペヨーテ、石をみつめる少女、そして私は小さな焚火を囲み、弱々しい炎をしばらくみつめた。そのときばかりは石をみつめる少女も石をみつめるのをやめ、炎に見入っていた。薪をくべるのは私の役目だ。神のペヨーテが虚空に腕を伸ばす。呪文を唱えながら小刻みに掌を動かすとひと塊のペヨーテを出現させた。そして、それをわれわれに分け与えた。神のペヨーテがペヨーテローの役回りを買ってでた。神のペヨーテはうってつけのペヨーテロー、トリップ・シッターだった。
 虹のコヨーテは饒舌だった。マーティンD28を爪弾きながら、さまざまなことを語った。雲ひとつない満天の星空とグレープフルーツ・ムーンと虹のコヨーテの歌と語りとマーティンD28のゴビ砂漠の砂のように乾いた音。それらは絶好のセッティングとなった。
「アボリジニの戦士になにを言ったのですか?」
 私はずっと気になっていたことをたずねた。虹のコヨーテはにやりとし、ニール・ヤングの『収穫の月』のメロディをアルペジオで奏でながら言った。
「ウルルで立ち小便をしていた人間どもをたっぷり懲らしめてやった。だが、仕返しに追われている。力を貸してくれ。そう言ったんだ」
「うそを?」
「まあな。ときにはうそも役に立つ。使いどころをあやまらなければの話しだがな」
 虹のコヨーテはそう言って、おどけた表情をみせ、ウィンクした。私もウィンクしようとしたが、うまく瞼が動かなかった。トリップがはじまりかけていたのだ。
「わたしはブルー・サファイアの化身なの。世界中のブルー・サファイアはわたしの心の中から生まれるんだよ。いまも、カシミールの山奥で矢車草の花の色をしたブルー・サファイアがひとつ生まれたところよ」
 石をみつめる少女が話し終えると焚火の薪の1本が大きな音を立ててはぜた。
「ちっちゃな青い粒がこれから何億年何十億年をかけて立派なブルー・サファイアになってゆくの。すごくすてきでしょう?」
「きみはいつからブルー・サファイアの化身になったんだい?」
『Hotel California』のイントロを爪弾いていた虹のコヨーテが手を止めて尋ねた。
「宇宙創世のときから」
 石をみつめる少女の全身が青白く輝きだし、あたり一面が青く染まった。

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