虚偽が罷りとおる時代に "真実を語ること" は革命的行為である。G-O
「俺はメッセンジャーだ。救国のメッセンジャーなんだ」
夜明け前。東京/霞が関。救国のテロリスト/役人首狩り族の王は潮見坂の頂上から財務省と外務省の薄汚れた庁舎を見下ろしながら独りごち、迷彩服の上から生き物のようにうねる巨大なアルチザン・チタニウム・ダガーを撫でる。哲の馬 Philosocycle による日々のトレーニングできれいに脂肪の殺げた躯体は精神と直結し、ひと振りの白刃のように研ぎ澄まされている。
アルチザン・チタニウム・ダガーの冷厳冷徹な「殺戮のロジック」はタフな戦闘服の生地を通しても伝わってくる。首都高速を行き交う車の走行音は救国のテロリスト/役人首狩り族の王の耳には一切入らない。
ひとしきりアルチザン・チタニウム・ダガーの「殺戮のロジック」を味わってから、救国のテロリスト/役人首狩り族の王は首からぶら下がっているドゥ・マゴ、二体の中国人形を握りしめる。
二体の中国人形。ふたつの病い。あるいはふたつの堆積物が交差する場所。
「俺のメッセージは必ず届く。俺のメッセージは手加減なし容赦なしだ。俺のメッセージは木っ端役人どもにとっては "死のメッセージ" だ。メッセージを届けたあとは遠く遥かに霞む幻視の海へ漕ぎ出す」
メッセージをドロップオフする刻限が間近に迫っている。
「殺人、殺人予備、殺人教唆、殺人幇助、内乱、内乱予備、内乱陰謀、内乱幇助、特定秘密保護法違反、破壊活動防止法違反、組織犯罪処罰法違反、脅迫、銃刀法違反。罪状はいったいいくつつくかな。今からたのしみだ。捕まれば当然に極刑、死刑がお待ちかねだが、こちらが失うのは自分の命だけだ」
南麻布の官舎を出たマークのピックアップされた生首が潮見坂の街路樹に晒されるまで、あと18時間。
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