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帰りたい場所、帰れない場所、帰るべき場所/清水翔太『HOME』

 

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 これまでに心がふるえるほどにあたたかいHOMEという言葉に五度出会った。一度目は小学生のときに聴いた『Home on the Range(峠のわが家)』。二度目は中学生のときに聴いた『My Old Kentucky Home(ケンタッキーのわが家)』。三度目はサイモン&ガーファンクルの『Homeward Bound(早く家に帰りたい)』。四度目はE.T.が「E.T. Phone Home! E.T. Phone Home!」と叫びつづけるシーン。そして、五度目が清水翔太の『HOME 』だ。歌詞の一部を記す。

  今更帰れないよ あの場所は
  どんな素敵な思い出も
  心にしまっておくべきなのさ
  今でも思い出すよ それでいいんだ
  心配ないよ まだ歌えるよ
  いつか帰るよ 僕だけの Home


「詩人」としての清水翔太については、「現代詩論」「詩史」「社会思想」「文化論」を含む多角的な視座から論じるべきであるから別の機会にゆずるとして、いまは清水翔太の『HOME』から私が受けた感銘の理由、そしてそのゆくえを探りたいと思う。

 私はこれまでの人生でいくたびかの「追放」「放逐」の憂き目に遭遇してきた。それは私自身に帰すべき原因がある「追放」もあれば、不条理きわまりない理由による「追放」もあった。
 裏切り、嫉妬、欲得。理由はいくらでもあり、いくらでもつくられる。季節のうつろいとともにあまたの「友人」を名乗る者たちがやってきては私を通りすぎ、少しの友だちが残った。それでいい。すべては終わったことである。いずれにしても、そうした経験は私の心を石ころにした。息をすることさえも苦しかった。私の心を手のひらにのせて揺すればころころからからと乾いた音がするはずである。経験によるものかどうかはわからないが息をすることは少し楽になった。
 私にはいくつかの「帰りたい場所」がある。しかし、そこは「帰れない場所」でもあって、遠くから、はるか遠くから思いを寄せつづけるしかない場所だった。その場所がいつの日か「帰るべき場所」でもあることを清水翔太の『HOME 』は私に教えた。

 心配ない。まだ息ができる。まだ生きられる。まだ帰ることができる。帰るべき場所への帰還が果たされるまで旅はつづく。急ぐ旅でもない。


 HOME - 清水翔太『Umbrella』(2008)
 Released: November 26, 2008
 Recorded: 2008
 October Studio, Giallo Polta, Studio Z'd, Tiny Voice Studio, Bunkamura Studio, Burnish Stone Komazawa, DGM Studio, Studio Somewhere, Sony Music Studio Tokyo, Prime Sound Studio Form, On Air Azabu
 Genre: R&B, Soul, Dance-pop, Funk, Acoustic music, Hip-Hop, Jazz, J-Pop
 Length: 60:11(standard edition)/65:51(Japan edition)
 Label: SME (JAPAN)/Mastersix Foundation (U.S.)
 Producer: Toshiaki MURAMATSU, Shinji TAKAGI, Toru NAKAYAMA, Mitsumi SHIOKAWA (JAPAN)/3rd Productions, Coney's Jelly, Sty, Yanagiman, Ali Shaheed Muhammad (U.S.)


 Track Listing
 *All songs written by Shota Shimizu.
 1. "Diggin' on U "
 2. "Home "
 3. "With You "
 4. "My Treasure "
 5. "One Last Kiss "
 6. "Love Story "
 7. "Rainy Day's Morning "
 8. "Unhappy "
 9. "Lovin U "
 10 "Aishiteru "
 11. "My Love "
 12. "Soulmate "
 13. "Sorezore "
 14. "Home " (Hip Hop remix) (Japanese Bonus Track)


 Personnel
 Vocal: Shota Shimizu
 Guitar: Masato Ishinari、Hideyuki Daichi Suzuki、Shunji Takenaka、Kenji Okada
 Strings: Gen Ittetsu、Udai Shika、Kanako Sakata、Emiko Ujikawa、Gou Tomono、Mao Tomonou
 Bass: Hideyuki Daichi Suzuki, Daiki Yasugawa
 Drums: Norihide Saji、Yuasa Kano
 Piano: Shinji Akita、Taiki
 Trumpet: Futoshi Kobayashi
 Alto Sax/Barytone Sax: Yoshinari Takegami
 Trombone: Kanade Shishiuchi


 HOME - 清水翔太




     
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