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真言の音楽#38 酷寒のミル・プラトーから帰還する道標 Didier Merah『Blessing of the Light』

 
 
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私はDidier Merahの『Blessing of the Light/光の息吹き』を道標として、酷寒のミル・プラトーから帰還した。E-M-M
 
 
Didier Merahの『Blessing of the Light/光の息吹き』を初めて聴いたのはいつだったか。2009年の冬の初めだったか。ひどい困憊の時期だったことだけは記憶している。

寒かった。なにを食べても味がせず、酒はにがく、世界は色を失い、音楽はなにを聴いても心に響かなくなっていた。「このままでは死ねない。死ぬわけにはいかない。まだ知は集積されつくしていない」とうわ言のように言い聞かせる日々だった。

平凡社大百科事典とエンサイクロペディア・ブリタニカと、ネットで映像作品のページばかりをみていた。その中のあるページでDidier Merahの『Blessing of the Light』がエンドレスで流れていた。

乾ききった心にDidier Merahのピアノの一音一音がしみた。とてもしみた。ゴビ砂漠に降る雨のように。雨粒は小さなオアシスとなった。細く弱々しくはあったが、確かに一筋の光がみえた。その光がいったいどこにつづいているのかはわからなかったけれども、たどっていけばなにがしかの平穏を手に入れられるように思えた。

寒く、暗い部屋で、繰り返し繰り返し、『Blessing of the Light』を聴いた。静かであたたかい涙がいくらでも出てきた。やがて、一筋の光は少しずつ光の束へとかわり、ついにはレンブラント光線のごときものとなって私を導いているように感じられた。そして、私は酷寒のミル・プラトーから帰還した。

あとは穏やかな夕暮れの残照のごとき夢想の日々を名もなき散歩者/匿名の庭師として生きるだけだ。だが、革命は起こす。Anonymous Revolutionは。枯れる? 隠棲? 諦念? 私の係ではない。私は頰っ被りはしない。


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*これまでにニューエージ系、ヒーリング系の音楽は意識して聴き込み、手当り次第に聴き、いまややや距離を置くようになっているが、Didier Merahの紡ぎだす音楽は従来のニューエージ系、ヒーリング系の音楽とはなにかが、どこかがちがう。そのなにか/どこかが一体なんなのかはこれからの旅のさなかにわかるのかもしれない。いい旅にしたいものだ。


Blessing of the Light - Didier Merah
Didier Merah Japan(Official Site)



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