FC2ブログ

Entries

真言の音楽#26 We Are The World 25 For Haiti/YouTube Edition

 

We_Are_The_World_25_For_Haiti-YouTube_Edition800PX.jpg
 

 世界の果てと果てに離ればなれになっていても、いつもそばにいるよ。E-M-M


 We Are The World 25 For Haiti/YouTube Editionは2010年、カリブ海のハイチを襲った大災害をエイドしようと、ほぼ無名に近い1音楽表現者のインターネット上における呼びかけから始まった。この呼びかけに対して、文字通り世界中から老若男女、東西南北、貧富、肌の色、人種、宗教、政治体制、信条、思想、哲学の差異を超えて、夥しい数のネチズン/インターネット市民が呼応した。吾輩もこれに応じ、音声付き動画をアップロードした一人である。


We_Are_The_World_25_For_Haiti-YouTube_Edition800PX4.jpg


 プロアマ、上手下手、美醜色々。まさに玉石混淆だ。アップされた動画の背景からは彼/彼女の生活のにおいまでもが伝わってくる。彼/彼女は家事、育児、家業、仕事、学業をこなし、時間はなく、おそらくはカネもなく、うまくいかず、落胆し、気を取り直し、ときに笑い、ときに泣き、ときに怒り、録画し、録音し、録りなおし、夜はふけてゆき、さらに練習し、さらに録音録画しという日々を生きたことがわかり、胸に迫る。
 本来的に言うならば、吾輩は「We Are The Worldムーヴメント」には与しない者である。善意、友愛のすべてを否定するものではないが、しかし、いかに言をつくそうとも、言い繕おうとも、そこには悪しき商業主義のあまたの思惑、欲得が見え隠れするし、We Are The World 25 For Haiti/YouTube Editionにしたところで、これをきっかけにひと山当てようと目論む者、欲得思惑をみてくれ/耳ざわりだけはいい善意と友愛を隠れ蓑に隠蔽した生臭い魂胆の元に参加した者がいたのも事実である。それがまぎれもない現実だ。しかし、それであってもなお、吾輩がWe Are The World 25 For Haiti/YouTube Editionに新しい世界の在りようの一端、しいては人間存在、国家、世界の未来のかたちを見いだして深く共感したのは、直接会うことも言葉を交わすこともできない名もなき無名の人々が30年近くも昔の手垢にまみれて古びた『We Are The World』というひとつの楽曲の元に距離も時間も無化して参集し、数日で数百万ヒットに至るほどの強度を持つパフォーマンスを実現したからこそである。
『We Are The World』がアフリカの困憊困窮の人々をエイドしようと世界にコミットメントしてから30年近い歳月、時間の経過のあいだに世界も国家も社会も人間もすさまじいばかりに変化し、激動し、絶望し、悲歎に暮れた。数えきれぬ悲劇が世界のあちこちで起こった。それらのすべてを取りもどし、元にもどすことはできないが、以後の世界のあり方、社会のあり方、人間の生き方を決定するよすがとはなるはずである。なにごとからでも、その意志があるかぎり学ぶことは可能だからだ。そうでなければ生きつづける意味などありはしない。


We_Are_The_World_25_For_Haiti-YouTube_Edition800PX3.jpg


 これからの世界は「直接に」会う、言葉を交わす、手を握るということの意味が加速度的に失われていく。言い方をかえれば、デジタルの海の中に溶け入ることのできない情報、存在が届け、交わすことのできるものはなくなるのだ。
 直接性は階級を生む。自由を奪う。対するインターネットはリアリティを求めながらも、そのことが絶対の条件ではない。
「ディスプレイの技術=視覚の技術/オーディオの技術=聴覚の技術/触れる技術=触覚の技術/味わうための技術=味覚の技術/コミュニケーションの技術=知覚の技術/ネットワークの技術=回線速度の技術」の進化と進歩によって、国家の意味や人間存在の意味は根本から転換し、組み替えられる。カウントダウンはすでに始まっている。その可能性の象徴がWe Are The World 25 For Haiti/YouTube Editionだ。
「世界の果てと果てに離ればなれになっていても、いつもそばにいるよ」ということが実現する世界の到来。テーマソングは当然に『Stand by Me』だ。

 We Are The World 25 For Haiti/YouTube Edition


We_Are_The_World_25_For_Haiti-YouTube_Edition800PX1.jpg We_Are_The_World_25_For_Haiti-YouTube_Edition800PX2.jpg





     
    関連記事
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
    http://diogenezdogz.blog.fc2.com/tb.php/588-169c626b

    トラックバック

    コメント

    コメントの投稿

    コメントの投稿
    管理者にだけ表示を許可する

    Appendix

    プロフィール

    自由放埒軒

    Author:自由放埒軒
    Festina Lente.
    No Pain, No Gain.
    Fluctuat nec Mergitur.
    R U Still Down Gun 4?
    玄妙の言葉求めて櫻花
    薄紅匂う道をこそゆけ

    最新トラックバック

    カテゴリ

    Festina Lente.

    R U Still Down Gun 4?

    カレンダー

    12 | 2020/01 | 02
    - - - 1 2 3 4
    5 6 7 8 9 10 11
    12 13 14 15 16 17 18
    19 20 21 22 23 24 25
    26 27 28 29 30 31 -

    アクセスランキング

    [ジャンルランキング]
    小説・文学
    298位
    アクセスランキングを見る>>

    [サブジャンルランキング]
    オリジナル小説
    40位
    アクセスランキングを見る>>

    QRコード

    QR

    樽犬の子守唄

    Didie Merah
    Blessing of the Light

    樽犬が全速力で探します。