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虹のコヨーテ#4 ビッグフェイス・ガジンことルイスウェイン・キャット旅の隊列へ

 

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 私はいつも自分のできないことをしている。そうすればいつかできるようになるからだ。 P-D-J-F-d-P-J-N-M-d-l-R-C-i-d-l-S-T-R-y-P


 ルイスウェイン・キャットことビッグフェイス・ガジンが旅の隊列に加わったのは虹のコヨーテとの旅が始まってから17日目の真昼のことだ。ビッグフェイス・ガジンはトパンガ・ケイヨン・ロード沿いのさびれた食堂で山盛りのシーザーサラダと格闘しているところだった。山盛りのシーザーサラダは3皿あった。3皿の山盛りのシーザーサラダの中心には7UPのソーダ・ファウンテンが聳え立っている。
 ビッグフェイス・ガジンはソーダ・ファウンテンのレバーを慣れた手つきで操って、ピッチャーサイズのジョッキにあふれるほどドクターペッパーを注ぐと一気に飲みはじめた。大きな喉仏が別の生き物のように動き、喉仏が動くたびにビッグフェイス・ガジンの口から「ブピャブピャ」という奇妙な音がした。私と虹のコヨーテがその様子を呆れて見ていたときだ。
「あんたらも飲むかい?」
 そう言ってから、ビッグフェイス・ガジンはジョッキをチェス盤のような模様の床に叩きつけた。安普請の食堂が揺れた。「おれは1日にシーザー・サラダを42皿喰い、ドクターペッパーを42リットル飲む。自己療養のためにな」
 虹のコヨーテはビッグフェイス・ガジンに足音さえ立てずに素早い動きで近寄り、左の頬に平手打ちを喰らわした。食堂の42枚あるガラスのすべてが震えた。
「しゃんとしろ!」
 私のときとおなじだった。ビッグフェイス・ガジンは虹のコヨーテの手を両手で強く握りしめながら嗚咽を上げた。そして絞り出すように言った。
「やっと来てくれたんだな。やっと会えたんだな」
「そのとおりだ。ルイスウェイン・キャット」
 虹のコヨーテのよく通る声が食堂中に響きわたった。客の全員が食事の手を止めた。




     
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