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ハルキゴンチチ・デイズ#10 間奏と感想/風にそよぐサポナリアの花影で。

 

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 風について考えられるのは、人生の中のほんの一時期のことなのだ。 HALKIMBO-M


 シャボン草が芽吹き、花咲き、梅雨の合間に淡く弱い青空がのぞくとシャボン玉を飛ばす。頬をかすめる風。風にそよぐシャボン草。シャボン草の花の間近で弾けるシャボン玉。すべては風のいたずら、風の気まぐれ、風の意志によるものだ。

 風に魅かれる。みえない風に。樹々や草花が揺れる姿やさざめく音、波しぶきが舞い上がるようすを通してしか、頬を撫で、ときに切り裂き、耳元をかすめるときにしかわからない風に。こどもの頃からだ。風が元いた場所を探して海辺の街にたどり着いたこともある。風のゆくえを追って赤城山の麓まで行ったことさえある。なにか問題に直面するとすぐにインドに行ってしまう「インド屋」がいるように、私は煮詰まると、星を眺めるか、風に吹かれるかする「星屋」であり、「風屋」なのだ。近々、「夕焼け屋」になろうと企んでもいる。虹が星や風や夕焼けのようにお手軽だったならば、「虹屋」にもなりたい。
 本棚をざっと見渡すと、タイトルに「風」のついた書物が多い。『風の歌を聴け』『風の谷のナウシカ』『風の博物誌』『風博士』『汐風の街』『風に吹かれて』『南風』『風の又三郎』『風のちから』『風の音楽』『狂風記』、そして『風に訊け』。 
 風に吹かれるのはとても気持ちがいい。流れに流されるのも、やっぱり気持ちいい。ときどき、立ち止まればいいんだ。ほんの少しだけ。風に立ち向かったり、流れに逆らって前に進むのなんか、百年に一度でいい。本当の孤独は百年に一度味わえば、それでじゅうぶんなんだ。その孤独に出会うまでは、風に吹かれたり、風の歌に耳を澄ましたり、星に願いをかけたり、夕焼けに心をふるわせたり、虹の彼方に夢を託したり、野うさぎの走りに目を奪われたりしていればいい。そのほうがずっといい。
 ときどき立ち止まり、風の歌に耳を澄まそう。答えは風の中でみつけよう。本当の答えはみつからないとしても、風はなにかしらの答えらしきものは孕んでいるはずだから。そして、風のように生き、いつの日か風になろう。

 Sunsay and John Forte - Wind Song




     
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