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OPUS ONE#1 Opus de Funk

 

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 初夏の陽射し。よく冷えた Opus One がボトルに3分の2。きれいに霜のついたワイングラスがふたつ。エシレのクロワッサンがみっつ。グリッシーニが13本。Signifiant/Signifié のパン・オ・ヴァンがひとかけら。RARE HAWAIIANのオーガニック・ホワイトハニーをたっぷりとかけた悪魔のフォルマッジオ、カッチョ・マルチョがヴェール・ボールに山盛り。そして、ルッコラと西洋梨とサンチェス・ ロメロ・カルバハルの生ハムと今朝方森の秘密の場所で摘んだ木苺のサラダ。サラダにはローストした胡桃がかかっている。ドレッシングはザクロのバルサミコとオリーブ・オイル。冬眠を忘れた熊のお手製だ。アール・クルーの弾く『Summer Song』が適度な音量で聴こえる。私は冬眠を忘れた熊に言った。
「これで死体がなけりゃ、最高の昼下がりになるんだがな」
「死体はあとふたつみっつ増えそうな風向きだぜ。おれとおまえさんとギャルソンと」
「ん?」
「ゆっくり左斜め後ろを見てみな」
 いつでも引金を引けるように身構える男が二人。どちらもサヴィル・ロウの SR Executiveをかけている。背格好も身なりもほぼおなじ。双子だ。そう思ったすぐあとに自分の考えがまちがっていたことに気づく。おなじ男が一人増えた。三つ子だ。今度はどうやら正解だ。神様もずいぶんと気の利いた問題を出してくれるものだ。
「さて、どうする?」
「残った Opus One とテーブルのごちそうを片づけちまおう。それがおれたちの夏の始まりにおけるプライオリティの第一番目だ。三つ子を片づけるのはそのあとでいい。この機会を逃したら、あとは次のローマ法王様決定のコンクラーベがつつがなく終わって、煙突から白い煙りが上がるまで、こんなごちそうとよく冷えた Opus One と贅沢な時間にはありつけない」


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 私は冬眠を忘れた熊とともに初夏の気持ちのよい陽射しを浴びながらルルティマ・チェーナをゆっくりと味わった。ただし、われわれの「最後の晩餐」ではない。三つ子のだ。曲がミルト・ジャクソンとヒューバート・ローズの『Opus de Funk』にかわったと同時に私と冬眠を忘れた熊は黄金に輝く視えない自由を撃ち抜くための視えない銃を抜き、三つ子に人生最後のデセールをお見舞いしてやった。三つ子が深い沈黙の闇の奥に沈んだのを見届けてから、私と冬眠を忘れた熊は初夏の気持ちのよい陽射しの降りそそぐテーブルに戻った。冬眠を忘れた熊がプールサイドで震えているギャルソンを手招きする。
「命拾いしたギャルソン! よく冷えた OPUS ONE をもう1本だ。それと、『Opus de Funk』をもう一度最初から。ホレス・シルバーのもだ」
 ギャルソンは笑い顔のひん曲がったイギリス貴族に追われる臆病なスウィフトギツネのように走り出す。
「まじめな若造だな。だが、それがいつか奴の命取りになる」
「真面目で勤勉な奴ほどな」
「おれとおまえのように」
「おれとおまえのように」
 残りの OPUS ONE をワイングラスに注ぎ、乾杯する。陽射しがワイングラスの淵で踊っている。まだしばらく、夏の初めの昼下がりにふさわしい時間はつづくだろう。まだしばらくは。街が闇に沈むまでの数時間は。


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