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うつむきかげんのショータイム#007 安部公房を盗め!

 

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日本人の偏見は微温的である。あえて特徴づければ、偏見に対する偏見こそがもっとも日本的な偏見だと言ってよい。 KO-BO-S-KHARMA

外部と内部、環境と生物の日常的バランスが敗れるような条件に出遇った場合、そしてそれが激しい場合、生物はしばしば一時的な原始化、先祖返りの反応を示すことがある。 KO-BO-S-KHARMA

人間はすでに心理的に猫に敗北している。 KO-BO-S-KHARMA

ユークリッド空間では永遠に交わらない平行線も非ユークリッド空間では自由にくっついたり離れたりする。ある思考体系からみれば二つのものが、別の思考体系からみれば一つのものになりうる。 KO-BO-S-KHARMA


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安部公房。よくぞ出たというのが吾輩の印象だ。しかも、日本のようなつまらぬ国から。100年どころか200年先、300年先、さらには事象の地平線の先まででも通用する。ぞっとするような事態、事象を飄々と淡々と描ききる眼差し、筆力、そして文体。安部公房は盗みどころ満載だ。吾輩は出会って以来、ずっと盗みつづけている。汲めども尽きぬ。それが安部公房だ。

『壁』『飢餓同盟』『けものたちは故郷をめざす』『砂の女』『他人の顔』『無関係な死』『終りし道の標べに』『燃えつきた地図』『箱男』『密会』『砂漠の思想』『内なる辺境』『都市への回路』『死に急ぐ鯨たち』
これらのテクストは吾輩の「生きつづけているかぎりの愛読書」である。すべてについて、吾輩は100回以上読んでいる。特に、『壁』『砂の女』『他人の顔』『無関係な死』『終りし道の標べに』『燃えつきた地図』『箱男』『密会』『砂漠の思想』『内なる辺境』『都市への回路』はいまも繰り返し読みつづけている。

はっきり言ってしまえば、安部公房で世界も時間も人間も社会も心理もすべて解読解釈できる。物語の骨格のあるべき姿、文体の強度も盗める。村上春樹もずいぶんと安部公房を盗んでいる。集中的に、一気呵成に安部公房を読むことを強くすすめる。


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    [C99] 方法叙説

    予備のパソコンでコメ送ったら名前が表示されなかった。阿部公房は「砂の女」しか読んでいない。まとめて読んでみよう。
    まあ、「いたち野郎」は破棄だな。中断した時点から白神でのミル・プラトー体験に至るまで、アダチは一気に狂っていくのだが、それを書こうと思ったらいずれにせよ言語は壊れる。小説ではなく、他の方法が要るということは感じていたところだ。ルイス・ウェインの猫は絵画でしか成り立たぬ。
    だいぶ目が覚めてきた。ひとまず送る。
    • 2013-05-20 07:28
    • ガジン
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    [C100] 承前

    オレの立ち位置は今、非常に微妙だ。「フーコーも度が過ぎる」とインテリの医師はいうのだが、いわゆる精神医学的な治療は最小限しか受けていない。緊急避難的に向精神薬を服用したり、病院のベッドを利用したり、そんなもん。言明されてはいないが、就労不能なんだから仕事は止めて公的扶助で食っていけ、てなとこ。表現を止められるかどうか、ここが瀬戸際だな。才能ないなら止めた方がよろしかろうとは思う。自分のしていることが「仕事」なのか「遊び」なのかさっぱり分からぬが、下らぬ売文も含めてそれで生活をファイナンスしているからには「仕事」なんだろう。アルトーは「思考し続ける権利が自分にあるかどうかが問題だ」と言ったが、オレの場合、「書き続ける権利が自分にあるかどうか」を考えることが肝要だろう。今回、いいきっかけになったと思う。「止められるもんなら止めちまえ」と背中で誰かが言っているが。
    • 2013-05-20 08:02
    • ガジン
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    [C101] 表現者は無類の王である。

    ポンコツ村上龍が「表現する女は不幸だ」とかつて得意満面で言っていたが、吾輩に言わせると「表現できる者は最上の幸福と快楽を手に入れている」ということだ。表現の場においては表現者は無類の王として君臨できるわけだからな。いつでも王国を破壊できるし、殺戮も、慈悲もやり放題。殺生予奪の権力はすべて手の内にあって、なにものにもとやかくのことを言われる筋合いもない。吾輩はちょくちょく、いけすかない輩どもを「吾輩世界」においてのたうちまわらせ、もがき苦しめさせ、むごたらしい死を迎えさせている。
    • 2013-05-20 08:20
    • 自由放埒軒
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    [C102] 王の権能

    うむ。つまり、だな、あんたの指摘通り、オレは自分の文体が緩んでいることを感じているわけだ。それが才能の問題なのか、精神の緊張の問題なのか、よくわからぬ。「王」としての自覚が足りぬ、ということか? 「王」たるには権利が要るだろう。その権利を自分が手にしているどうか、ということさ。
    • 2013-05-20 08:29
    • ガジン
    • URL
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    [C103] 『マグナ・カルタ』第38条

    たとえば、王、王権、権力、国家といったタームを考えるときに、吾輩はそれらにまつわる「情報」のすべてについて渉猟する。そして、盗む。『マグナ・カルタ』の第38条には「裁判権の保障」のことが書いてある。暇つぶしの「憲法談義」のときにこのことを何食わぬ顔で言説の中にするりと忍ばせてやる。東大の憲法学の教授センセイも眼を丸くしておどろく。ことほどさように、この国のインテリゲンチャの「底」は浅く、薄っぺらだってこったな。
    王として君臨するためにはその世界における森羅万象について精通していなければならない。完全なるグリップだ。それがなければその世界はつまらぬ世界になるし、王は首を刎ねられることになる。一流の料理人が食材の目利きであり、仕入れのつわものであり、調理の達人であるのとおなじことが「表現王国の王」には求められるということだ。才能? 心配するな。ガジンには吾輩の眼鏡にかなう才能がある。
    • 2013-05-20 08:46
    • 自由放埒軒
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    [C104] アノニマスたることについて

    少し話はズレる。村上春樹の「多崎つくる」はオレも読んだ。ひどいと思った。あんたの嫌いな出版文化について少し話す。我慢して聞いてくれ。あの小説、もし無名の書き手が編集者に渡したら、まず出版されない。「伏線をきちんと回収して下さい」と言われるだろう。編集者というのはセオリー通りの小説しか認めないからだ。オレがあの小説をひどいと思うのはセオリーからはずれているからではないが、それは脇におく。言いたいのは、「人に知られた名前」を持つことの意味だ。有名であることと表現の問題は、非常に難しい。糸井某はかつて「無名には表現がない」と言った。その言説の妥当性もさておくが、アノニマスでありつつ表現を成立させるという実験を、あんたはなぜ遂行しようとしたんだ? 出版文化への絶望か? それならオレも共有するが、あんたのやろうとしていることは、極めて困難な作業であるとオレは思っている。その困難を、あんたはどうして引き受ける?
    ちなみに、あんたは忘れているかもしれないが、「アノニマス」という言葉をメールであんたに伝えたのはオレだぜ(笑)。ずいぶん昔の話だが、あんたがそれをいたく気に入ったのを覚えている。
    • 2013-05-20 09:06
    • ガジン
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    [C105] あの日、アノニマスは吾輩のものとなったのだ。

    「アノニマスでありつつ表現を成立させるという実験」がいずれとてつもないビッグマネーをもたらすという確信があるから吾輩はアノニマス・ガーデンの名無しの庭師になることを決めた。ビジネス・モデルもすでに出来あがっている。これについては微塵の揺らぎもない。そうでなければ片足どころか全身を突っ込んだりはしない。吾輩は極力愚か者、センスのない者、才能のない者とは関わりたくない。そういった輩との関わりは、徒労、時間の無駄に終わるからだ。アノニマスはPCをシャットダウンすればすべて終わる。つまらぬしがらみや義理人情に縛られ、患わされることもない。そこが一番の魅力だな。前にも言ったが、吾輩は生身の人間にはもはやひとかけらの興味もないのである。

    ガジンが「アノニマス」という言葉を吾輩にもたらしただって?! それはちがう。ガジンというシャーマンを通して口寄せしたのだ。
    • 2013-05-20 09:26
    • 自由放埒軒
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    [C106] 儲かったら奢ってくれよな

    オレはイタコか。それはさておき、あんたのテクストクリティークはオレを十分納得させてくれた。礼を言う。
    オレには暫し、休養が必要なようだ。入院はしない。女、抱けなくなるから。まあ、ファンキーに静養するさ。
    ネット接続できる環境にある限り、このブログは読ませてもらう。回復したら、オレもまた新しい物語を書き出すかもしれない。人に勧められてるし、福島にハング・オンするという線もある。それで緩んだもの書いたら、あんたが白刃を突きつけにくるんだろうな。楽しみだ。
    無限フーガになりそうなので、とりあえずここで失礼する。
    • 2013-05-20 09:59
    • ガジン
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    [C107] 「オンデマンド・ノベル」

    現在、吾輩にそこそこのビッグマネーをもたらしているのは「オンデマンド・ノベル」だ。読者は一人。クライアントでもある。『アノニマス・ガーデン』の熱心な読者でもあったその人物は一代で財をなした叩き上げだ。ある日、彼はメッセージをよこした。「私を主人公にした物語を書いてほしい」とね。もちろん、吾輩は二つ返事で引き受けた。ギャランティは2000文字で20万。その人物から彼の人生を色々と「取材」するのも面白かった。江戸川乱歩、レイモンド・チャンドラーをはじめとする探偵小説のファンだと言うので、探偵小説風の物語で主人公に仕立てあげてストーリーを書いた。先方は大よろこびだ。吾輩にしてみればひょひょいのひょい仕事である。2日に1本の割合で去年の夏から続けている。おそらく、彼が死ぬか、吾輩がくたばるかするまでつづくだろう。ギャランティはきちんと振り込まれている。もちろん、税金など払わない。すべてはアノニマスで進行しているのだから当然だ。「オンデマンド・ノベル」は『アノニマス・ガーデン』における草刈り仕事のひとつというわけだ。クライアントは「キーワード検索」で吾輩のところに向うからやってくるから、無駄な広告宣伝も不用だ。吾輩のテクストに「固有名詞の羅列」が登場するのは「キーワード検索」にひっかかるための方便の意味もあるということだ。
    • 2013-05-20 10:00
    • 自由放埒軒
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    [C108] 色んなことを思いつくな、あんたは

    なるほど、オンデマンド・ノベルか。面白いコンセプトだな。しかし、ここでアイデア公開しちゃっていいの?
    少し考えたが、やはり「いたち野郎」執筆には無理があったようだ。オレはあんたの修羅の部分を知らんし、そういうのを当て推量で書くわけにもいかない。謎は謎のままにおくとして、オレはまた別の切断面を考えるべきだろう。
    とにかく今は妄想がひどくていかん。その中にはあんたが絡む妄想もあるのが笑える。入ってくる情報のすべてが妄想のネタになってしまうので、「ネットも含めたリソースを全部、いったん遠ざけるべし」という医者の助言は、まあ、的確なのだろう。いっそ何もかも放り出して福島に行くというのも手かもしれない。今のマスコミの被災地報道はくだらなすぎる。オレも「絆」だの「がんばれフクシマ」だのには反吐をつきそうになる。
    明晰さとは、一つの傷なのだと思う。この狂った世界では。オレがその傷を負っているのかどうかは、わからないが。
    しばし休む。
    • 2013-05-20 17:00
    • ガジン
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