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世界中のドロシーは虹の彼方にたどり着けたのか?

 

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 世界中のドロシーたちは虹の彼方にあるという「約束の地」「PROMISE LAND」をみつけることができたのか?


「世界中のドロシーは虹の彼方にたどり着けたのか?」とまず問うてみる。そしてそののち、「世界中のドロシーたちは虹の彼方にあるという『約束の地』『PROMISE LAND』をみつけることができたのか?」とも問うてみる。さらに「吾輩は、あるいは人間は何処に行こうとしているのか?」とも問うてみる。この問いを発してからかれこれ50年になる。この「問い」はいまも有効である。この春、ようやくにして、この「問い」に対する解答のごときものはみつかった。みつかったが他者に教えることはできない。「宇宙を支配する巨大な意志の力」との契約があるから。この契約については解約も解除もできない。事情変更の原則の適用もなければ無効の訴えを提起することもできない。「在りて在るもの」との契約を解除できるのは「約束の地」「PROMISE LAND」においてのみである。

 思えば、星に願いを託し、虹の彼方を夢み、「この素晴らしき世界」とつぶやきつづける人生だった。星はずっと沈黙したままで、虹の彼方にあるはずの夢は粉々に砕け散り、世界は素晴らしくも輝いてもいなかった。手に入れることができたのは、夜ふけ、世界にただ一匹のミニチュア・セントバーナードの老犬にフルーツ・オブ・ザ・ルームのプレミアム・バナナをひときれくれてやる程度の、数少なくかけがえのない幸福を感じる日々だ。それとても、いつ突然の終焉を迎えるかわかったものではない。そして、さらに厄介で剣呑で狷介な問いが頭を擡げている。
 数。涅槃寂静、阿摩羅、阿頼耶、清浄、虚空、六徳、刹那、弾指、瞬息、須臾、逡巡、模糊、漠、渺、埃、塵、沙、繊、微、忽、糸、毛、厘、分、一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、?、穣、溝、澗、正、載、極、恒河沙、阿僧祇、那由他、不可思議、無量大数。10のマイナス24乗から10の88乗まで。ヨクトからヨタまで。10のマイナス24乗から10の24乗まで。極大と極小。極小における一致。東西の分断は極小世界において統一されている。これらのそれぞれには、いかなる冒険者であろうとも征服しえない闇あるいは光がある。不可思議無量大数ヨタの虹と世界と星々さえも。

 世界中のドロシーよ。虹の彼方への道のりは不可思議無量大数ヨタKmよりさらに遠く、「約束の地」「PROMISE LAND」の扉は針の穴どころか涅槃寂静ヨクトmmほども小さい。それでも、それであってもなお、おまえたちは虹の彼方を目指すか?


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 天国からカミナリ、天国にアローハ!

 IZはひとつ年下だった。IZは1997年6月26日午前0時18分に死んだ。38歳になったばかりだった。春の終りに天上界からやってきたIZは夏の初めに天上界へと帰っていった。
 IZが死んだとき、まちがいなく世界は軽くなった。370kgぶん。そして、宇宙の涙の総量が2パーセント減った。吾輩はIZを悼んでチャンティングした。ポリネシアンたちが集まってきて最後は大合唱のようなチャンティングになった。
「そんなふざけた話があってたまるか」と思った。生きていなければならないやつが死に、死んでしまったほうが世界が2パーセントくらいよくなる吾輩のような者が生き残る。まったく世界はふざけた話ばかりで出来あがっているものだと思ったぜ。
 IZよ。おまえがいなくなって世界は確実に2パーセントくらいつまらなくなった。HAPAの『Pau 'Ole Ka 'I'ini』とテレサ・ブライトの『Hula Heaven』がなぐさめてくれた時期もあったけど、所詮、焼け石に水だ。長続きはしない。やっぱり、おまえがいないとな。そんなことは初めからわかりきってはいたんだ。F1にアイルトン・セナが欠かせなかったように、音楽、少なくともハワイアン・ミュージックにはIZが欠かせないんだ。少なくともこのおれの世界においてはな。

 IZよ。世界はますますつまらなくなっていくぜ。地上の楽園なんてとんでもない。そんなものはこの広い宇宙のどこにもありゃしない。地上の楽園があると言う奴やあると信じている奴は救いようのないバカか大うそつきかオニヒトデか野村沙知代か福島瑞穂か辻元清美か和田アキ子か田嶋陽子だ。地上の楽園なんかとっくに消滅しちまったんだ。地上の楽園があって、そこでは人間も動物も森の樹々たちも仲がよくて、毎日毎日、朝から晩まで笑い転げて暮らしていられたのは、おまえがまだ地上にいたころの話、昔々の大昔、神さまがまだヘソを曲げる前の話だ。いまここは陰険で冷酷で姑息で臆病で狭量で鈍感で狡いやつばかりがおおきな顔をしてのさばる世界だ。息をするのさえ苦しいぜ。おれだけじゃない。大勢のやつが「息もできない」「居場所がない」って、落下傘も蝙蝠傘もなしでエンパイア・ステート・ビルヂングから飛降りてみずから死を選ぶ始末だ。中にはマリアナ海溝の一番深いところにスクーバ・タンクもレギュレーターもBCDもウェイトもフィンもマスクすらもなしで潜って、最期はスルメイカみたいにぺしゃんこになって死ぬやつもいる。これもエンパイア・ステート・ビルヂングから落下傘なし蝙蝠傘なしで飛降りたやつらとおなじだよな? なんでこんなことになっちまったんだろうな。おまえはいい時期に逝ったのかもしれないぜ、IZ。
 ん? カミナリが鳴ったな。聞いてたんだな、IZ。天国からカミナリとはな。いかにもおまえらしい。え? なんだって? 「情けねえぞ、兄弟」って? そりゃね、歳も歳だしね。うんうん。そうか。いやなことばかりじゃないって? そうだ。そのとおりだ。ついこのあいだの明け方、おれもそう思ったよ。いやなことばかりじゃない。いやなやつばかりじゃないってね。うんうん。オーケイ。アローハだよな。おまえの言うとおりだ。Akahai/やさしさと思いやり、Lokahi/調和と融合、Oluolu/よろこびをもって柔和に、Haahaa/ひたすら謙虚に、そして、最後にAhonui/忍耐と我慢だな。オーケイ。わかった。もうすこしだけがんばってみることにするよ。お? またカミナリだ。うんうん。「そうだ。それがいい。もうすこしだけがんばるんだ、兄弟。アローハ!」ってか? わかったよ、IZ。天国に「アローハ!」のお返しだ。アローハ! 何度でもアローハ! どこにあるのかも、あるのかどうかさえわからない虹の彼方にも、このろくでもない素晴らしき世界にもアローハ!

 また夜が明けてきた。雨が降っても降らなくても、やんでもやまなくても、世界に、世界中に、世界のありとあらゆるところに虹がかかったらばいいな。涅槃寂静の極小世界から無量大数の極大宇宙まで。ヨクトもギガもテラもヨタまでも。朝から晩まで。夜明けでも夕暮れでも真夜中でも。ピョンヤンでもヨハネスブルクでもパリでもニューヨークでもミラノでもトーキョーでも。エストリルのローズガーデンにもリエのたたずむマグノリアの花影にもガジンが立ちつくすメニエール・ダンスの舞台にも「我の風」の吹きつけるリンゴの国にもシリアをめぐる政情不安に心も散り散りの地中海の感傷にもまごうかたなきラオスとモンクとイカセンセンな三枝点にも甲斐の山奥でパリッモチックマッなセ・シ・ボン熊ん子ちゃんにもあまたの困難と困憊と剣呑と狷介を抱えつつもビーズするマーチャノワにも梅干しシート・デイズを生きるココペリキリギリスのボーイ・リョージにもシュレディンガー・キャット・ラボラトリーズ研究員ノラEIの猫にこんばんはな日々にもトーキョー・ジェットコースター・デイズの戦友であり、同行者でもある虹子と一番弟子のポルコロッソと二番弟子のダニーボーイにも。その日喰うめしのあてもない不遇の人々と「オサレなおランチと豪華絢爛豪勢大仰なディナー」まみれのおセレブさまがたにすらも。そして、だれの心にも。


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 Somewhere over the Rainbow - Israel "IZ" Kamakawiwoʻole
 Somewhere over the Rainbow - Keith Jarrett
 Somewhere over the Rainbow - Eric Clapton
 Somewhere over the Rainbow - Eva Cassidy
 Somewhere over the Rainbow - Kenny G
 Somewhere over the Rainbow - Les Paul
 Somewhere over the Rainbow - Tuck Andress
 Somewhere over the Rainbow - Judy Garland




     
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