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On the Road, On the Beat, And Load Out#4 路上の結末(4/42)

 

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 神軍平等兵、日本列島GO'S ON! いつでも過激! どこでも攻撃!
 ゆきゆきて、神軍! 知らぬ存ぜぬは許しませぬ! カキザキ、玄能を持て!

 偽物ボブとマーサー・ガーサーの登場によって時間は容赦なくねじくれ、われわれは元の時間、元の場所、真冬の昼下がりの日比谷公園の噴水前にいた。
「たとえばこんなふうに」と森の漫才師サルーは言って噴き上げる噴水の軌跡に向かって指先をひとひねりした。宙空で水の軌跡は一瞬身震いしたかと思うとそのまま凍りついた。
「ん? これは?」
「水の軌跡を一瞬にして凍らせるという奇跡の技」
「奇跡か。わるくない」
「へ? 感想はそれだけ?」
「うん」
「ひどいやつだ」
「きみは僕の戦友だから正直に言うけど、僕の人生はこの程度のことで驚くほど甘いもんじゃなかったんだ。ある意味では”奇跡”の連続、僕の日常は”奇跡”で埋めつくされているんだよ」
「うーん」
「日常が奇跡で埋めつくされている人生を想像してほしい。もうあらゆることが退屈で退屈で仕方なくなる。そんな日々から僕が学んだことは”奇跡を分析し、解釈すること”なんだ。いまきみが行った奇跡について言うなら、きみが指を動かしたことと水が氷点下という気象条件にさらされて凍りついたという事実があるだけであるというのが僕の考え。そこには驚くようなことはなにひとつ含まれていない」
「なるほど」
「ことほど左様にいわゆる”奇跡”と言われている事象のほとんどは合理的な解釈と説明が可能だということ。それでも   
「それでも?」
「それでも解釈もできず、説明もつかない事象がいくつかある。合理的な世界からこぼれてしまうものがね。僕はきみとそれらを探し出し、本当の答えをみつけたい」
 私が言い終えると森の漫才師サルーは小刻みに身を震わせて泣いていた。嘘泣きだ。「なんで嘘泣きなんかするんだよ」
「あれ? バレちゃった? いやあ、ここはひとつ泣いておくのが一番感動的かなと思ってさ」
「きみは本当におもしろいやつだ」
 真冬の日比谷公園の噴水前から見上げる帝国ホテルが墓標のように聳え立ち、われわれを見下ろしている。鹿鳴館の享楽の調べも聴こえる。燃やした札束を明かりがわりに窮屈袋を探す愚か者の太り肉で脂ぎった姿も視える。「オサレなランチ、わたし的にステキなディナー」とほざく日本語故障機械どもののっぺりとしたグロテスク、醜悪きわまりもないエゴイズムも見え隠れする。世紀末総白痴国家ニッポンの象徴だ。


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 そして、奥崎ケンゾーが牡蠣崎柿右衛門を従えてやってきた。1本足りない指で指揮でも執るように牡蠣崎柿右衛門に指示を送る。奥崎ケンゾーは俄に形相を阿修羅に変えると叫んだ。

 ゆきゆきて、神軍! 知らぬ存ぜぬは許しませぬ! カキザキ、玄能を持て!

 牡蠣崎柿右衛門は言われるがまま、無表情で金槌を振り上げると「ゆきゆきて、神軍。われは神軍平等兵なり!」と言ってわれわれに襲いかかってきた。


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