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On the Road, On the Beat, And Load Out#1 路上の結末(1/42)

 

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 ビートきかせてGO! GO! GO!

 日比谷公園の噴水から渋谷の金王坂歩道橋上までの話だ。

 いまに至るも唯一の友人である森の漫才師であるサルーと出会ったのは1981年の冬のことだ。その日、私は家庭教師のアルバイトをキャンセルし、朝から銀座地球座で『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』をみたあと、有楽町スバル座で『レイジング・ブル』をみて、さらに銀座の裏通りにある二番館で『ブリキの太鼓』と『エレファント・マン』と『戦国自衛隊』と『ブラック・サンデー』と『マッド・マックス』と『アルカトラズからの脱出』と『白昼の死角』と『エイリアン』と『蘇える金狼』と『チャイナ・シンドローム』と『ルパン三世 カリオストロの城』の11本立てを途中までみて、自分のそれまでの人生とやってきたことと現在抱えている問題とやっていることのあまりの馬鹿馬鹿しさに御成敗式目42巻分の舌打ちをしてから大股で日比谷公園に向かった。
 途中、丸の内警察署の入口にいた立哨のひとの良さそうな警察官に「バーカーカーバーチンドンヤーオマエノカーチャンデーベーソー!」と愛情と愛嬌と悪意たっぷりに告げた。
 気分は映画館を出たときよりずっと良くなっていた。しかし、誰でも、一人の例外もなく、映画館を出たときは世界に対して謙虚にならなければならない。さもなければ大きな失敗をするか痛手を負う。私のように。東映のやくざ映画を何本みても任侠にはなれないし、『ロッキー』を全シリーズみたところで世界チャンピオンどころかカットマンにもなれないし、フィラデルフィアの街が微笑んでくれるわけでもない。『ランボー』が一人ぼっちの軍隊を組織するためのバイブルにはならないということだ。


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 私は人とすれちがわないように注意深く歩き、日比谷公園の噴水にたどり着いた。そして、噴水の縁に座り、ウォークマンで The Brooklyn,Bronx & Queens Band の『On the Beat』だけをいれた120分のカセット・テープを聴きはじめた。冬の日比谷公園の噴水の周囲にはなにひとつビートらしきものはなかったが気分は上々だった。なぜかって? 大きな山を踏むからだ。世界が、少なくとも日本が、もっと控えめに言えば、霞が関と永田町周辺がひっくり返るような山を。そして、森の漫才師サルーがやってきた。

 On the Beat (LP Version) - B.B. & Q. Band


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