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チェロキー・ボーイの恋心とナパームの慈雨

 
Indian-Reservation_Mark-Lindsay_The-Raiders_800PX.jpg
 

 高慢ちきのメアリーに恋をした嘆きのインディアンはローズガーデンでナパームの雨を見たか?

 その日の朝、ローズガーデンは雨に煙っていた。嘆きのインディアン、チェロキー・ボーイはローズガーデンのバラの香りに身も心もとろけそうだった。うっとりと白い館を見上げ、雨が上がるのを待つチェロキー・ボーイ。メイドのリンがチェロキー・ボーイにやさしく、そして皮肉をたっぷりこめて言う。
「深い川を渡るときには気をつけるのよ。溺れそうなとき、かならずだれかが助けてくれるとは限らないから。たいていの場合は手どころか指一本差し伸べてくれないものなのよ。それが世界の本当の姿なの。いい? 笑顔とやさしい言葉の裏には冷たい裏切りが隠れていることを忘れちゃいけない。クローバーの茎からバラの花は咲かないものと神様が決めているの。 だから、いまのうちに考えなおしたほうがいいわ。手遅れにならないうちに予約を取り消しなさい。そして、雨がやんだら居留地にお帰りなさい」
 しかし、リンの言葉はチェロキー・ボーイの耳には入らない。チェロキー・ボーイは高慢ちきのクィーン・メアリーのことで頭がいっぱいなのだ。
 雨は昼には上がるだろう。そして、晴れた雲間からは幾千億のまばゆいナパームの慈雨が降ってくる。そのことを知らぬまま、チェロキー・ボーイはひそかな恋心を秘め、高慢ちきのクィーン・メアリーに忠誠を誓う。チェロキー・ボーイが狭い居留地から広い世界へ出てゆくのはもうすぐだ。ナパームの幾千億の雨粒がまばゆく降りしきる世界に出てゆくのは。
 そして、あかむけの魂を持つチェロキー・ボーイは世界のただ中でトマホークを振り上げ、叫ぶ。

 ホカヘー! おれにつづけ! ヤタヘー! アヒェヒェ! 戦うにはいい日だ! 死ぬには手頃な日だ! ありがとう!

 チェロキー・ボーイの頭上にナパームの幾千億の雨粒が降りそそぐのはもうすぐだ。白い館の主と高慢ちきのクィーン・メアリーはファックとファットに夢中でそのことには気づかない。


Indian Reservation - The Raiders feat. Mark Lindsay (1971)


The Lament of The Cherokee Reservation Indian
Words and Music by John D. Loudermilk (1959)

They took the whole Cherokee nation
Put us on this reservation
Took away our ways of life
The tomahawk and the bow and knife
Took away our native tongue
And taught their English to our young
And all the beads we made by hand
Are nowadays made in Japan

Cherokee people, Cherokee tribe
So proud to live, so proud to die

They took the whole Indian nation
Locked us on this reservation
Though I wear a shirt and tie
I'm still part redman deep inside

Cherokee people, Cherokee tribe
So proud to live, so proud to die

But maybe someday when they learn
Cherokee nation will return, will return, will return, will return, will return

奴らはチェロキーの国をそっくりそのまま奪いやがった。
奴らは俺たちを狭っ苦しい居留地に放り込みやがった。
奴らは生き方を奪い、トマホークと弓とナイフを奪い、
「母なる言葉」を奪いやがった。
そして、こどもたちには奴らの言葉、英語を教えこんだ。
ハンドメイドだったビーズも、いまじゃ日本製だ。

チェロキーの民よ。チェロキー一族よ。誇り高く生き、誇り高く死のう。

奴らはインディアンの国をそっくりそのまま奪いやがった。
奴らは狭っ苦しい居留地にインディアンを監禁した。
俺はシャツとネクタイを着ちゃいるが魂は本物のインディアンだ。

チェロキーの民よ。チェロキー一族よ。誇り高く生き、誇り高く死のう。

いつか奴らも思い知るだろうぜ。チェロキーの国が帰ってくることを。
帰ってくることを 帰ってくることを 帰ってくることを ・・・





     
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