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いつかのヨヨギ、いつかのコウモト

 
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 ある友情に関する寓話。 

 ドブねずみが美しいなどとは誰にも言わせない。言えるのは、吾輩といつかのヨヨギの、いつかのコウモトと電撃治療ですべてを失った鍵盤の聖者バド・パウエルに心を痛める者だけだ。
 いつかのコウモトと最初で最後の別れを告げあったのは、いつかのヨヨギの「ちょんまげ」という焼き肉屋である。吾輩はいつものごとくに酔いどれ、荒くれ、東京リコーのナンバー8とタイマンを張り、「ちょんまげ」店先のコンクリート塀に東京リコー・ナンバー8の顔面をこすりつけ、その頬肉を削ぎ、「焼いて食ったらうめえかな?」とちらと思い、原宿警察署のデコスケどもに取り押さえられた。はるか昔々、まだ腕力がモノを言わせることのできた時代である。 
 いつかのコウモトは吾輩が「説諭」され、「始末書」を美文調で書いているあいだ、雨に光る明治通りでじっと吾輩を待っていた。原宿警察署の正面玄関から出てきた吾輩を迎えたいつかのコウモトはドブねずみのようにふるえ、涙を浮かべ、輝いていた。もちろん、眼もくらむほど美しかった。
 いつかのコウモトよ、またいつか、いつかのヨヨギで会おう。「ちょんまげ」のアニキはとっくの昔にこの腐った世界から自らオサラバしちまったが、どうってことはない。すべては過程のひとつにすぎない。いつかのコウモトよ、おまえならわかりすぎるくらいわかるよな? いつかのヨヨギの再会のためのいい店はすでに確保済みだ。すべては吾輩に任せるがいい。そして、たらふくしこたま肉を食い、へなちょこどもを踏みつぶし、それから新宿2丁目ポパイで祝杯をあげよう。そのあとは、時さえ忘れて「最初で最後の別れを告げあう夜」の2回目と、「最初で最後の別れを告げあう朝」の1回目をやろう。
 
 いつかのコウモトよ。おれは抗いようもなく齢をかさね、荒ぶる魂はややなりをひそめ、いくぶんか世渡りの作法を身につけたぜ。「路上議論」の回数は半分になった。「肉体言語」の威力も半減だ。笑いやがったら、ブットバース! 鳩尾に稲妻アッパーだ。へっへっへ。

 背景音楽:THE BLUE HEARTS『リンダリンダ

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