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遠い夢からさめたジャンゴ

 
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 今日はジャンゴ・ライハルトの誕生日だ。明け方からずっとMJQの『DJANGO』を聴いている。誕生日のお祝いと強弁してすべての予定をキャンセルし、安ワインを飲みながら。もう3本目が空いた。虹子も呆れ顔だ。たばこは夕べのうちに『Gitanes』を1カートン用意してある。iTunesにジャンゴの演奏音源のコンプリートを呼び出し、PLAY IT. これであとはムール貝をバケツ一杯ほども喰えばパーフェクトなジャンゴ・バースデーだ。世界で一番ガッツのあるギター弾きを祝うのにこそふさわしい。降りかかる災厄をものともせずに何度でも立ち上がったジャンゴ・ライハルト、本名ジャン・バティスト・レナールにこそ。

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 何度でも立ちあがる男、ジャン・バティスト・レナールが遠い夢からさめたとき、あたりは炎に包まれていた。放浪漂泊キャンプの民は愚劣卑劣な悪意の炎によって、ジャンゴの左手の指の自由と、かれら自身の自由と放埒の日々を失い、風と雲と光だけが手元に残った。
 かれらが遥かなる空に描く夢は永遠にたどりつくことのできない「故郷」だったろう。だが、それでもなお、放浪漂泊の民はまだみぬ「故郷」を求めて歩きだす。ジャンゴのように何度でも立ちあがり、何度でも夢をみ、何度でも目覚め、何度でも「故郷」をめざすのだ。
 ジャンゴは夢の中でさえ動かぬ左手を身じろぎもせずにみつめ、「私の左手を計測する。私の左手の時間、私の左手の死」といつまでもつぶやきつづける。 

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 ワインの空き瓶が5本、McIntosh MC-275の前に転がっている。部屋は紫煙でもうもうと煙っている。曲は『Minor Swing』から『Swing from Paris』を経て、『Time on My Hands』に変わった。夢は遠く、「故郷」はさらに遠い。見果てぬ夢よりもなお遠い。世界が目覚めるのはいったいいつなんだ? ジャンゴが軽やかにマイナー・スウィングしている。

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