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家族になろうよ/『家族』という物語

 
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 福山雅治の『家族になろうよ』を初めて聴いた。虹子の iPod を盗み聞きしたのがきっかけだった。JUJUやらAIやらマットンヤ・ユミーンやらドリームズ・カム・トゥルーやらサザンオールスターズやらにまじって福山雅治の『家族になろうよ』があった。出だしの「100年経っても好きでいてね」でいきなりヤラレてしまった。福山の声がまたいい。実にいい声だ。福山雅治の存在は物理学者の役で難事件を解決するTVドラマを何度かみて知っていた。いい男だ。見姿、外見、器量はひとそれぞれ好みがあるとはいえ、福山雅治については文句のつけようがあるまい。そして、おそらくは内面、中身についても。日本からよくこれだけの男が出てきたものだ。なかなかどうして捨てたもんじゃない、顔面土左衛門が最高権力者の椅子に寝穢く居座っていた国も。

 どれほど深く信じあってもわからないこともあるでしょう
 その孤独と寄り添い生きることが「愛する」ということかもしれないから…
 与えられる人から与える人へ変わってゆけたなら


 すばらしい。こんなにすばらしい歌が日本から生まれていたとは   。この宝石のような歌が生まれていたことを知らなかった自分が吾輩は恥ずかしい。福山雅治のファンクラブに入りたい。ちょいと調べてみた。ん?「『家族になろうよ』は東日本大震災の影響によって全国ツアー中断中に作詞された」だって!? 言葉の神は福山雅治を選んだわけか。
 世の若造、小僧っ子どもよ。この歌でおねいちゃんに迫れ! 口説け! 吾輩ならやるな。「家族になろうよ」ってひと言だけでいい。それで振り向かないようなおねいちゃんなら所詮縁がないか、いまだに3Kを夢見ているスカタンボンクラポンコツ女だってこった。

 吾輩が『家族になろうよ』をヘビー・ローテーションで聴いていると、「『桜坂』もいいですよ」と虹子が言い、吾輩の前にビル・パティの「ノルウェーカエデのメープル・バター」と虹子特製のホイップ・ステップ・ジャンプ・クリームにシナモン・パウダーのかかったフレンチ・トーストを置いた。いいにおいだ。においもいいが虹子の心持ちがよろしい。家族というのは実にいい。家族を大事にしろよ、おれ(自爆)。家族というのは百年も千年も万年もいっしょに旅をするかけがえのないチームなんだから。世界中が敵にまわっても味方でいてくれる戦友なんだから。
 元々は他人の「夫婦」という家族の最小単位。他生の縁があるかどうかはともかく、夫婦は二人の他者、他人でできあがっている。この動かしようのない事実を前に、彼と彼女は雨の日、晴れの日、雪の日、風向きのいい日悪い日、長い人生をかけて互いが決して他人ではないと確認しつづけてゆく関係を生きる。ひとつのコッペパンを分け合って涙とともに食べる朝もあるだろう。敷く布団すらなくオーバーコートをかぶって抱き合い、フローリングの床で震えながら眠る夜だってあるかもしれない。夫婦とはそのようなことすらもゆるされる間柄だ。夫婦別姓? 男女共同参画? 女子会? ガールズ・トーク? それってうめえのか? センスのひとかけらもない野暮天どもは物静かにすっこんでいろ。「賤妾は君と共に糜をくらわん」の奥方さまの爪の垢でも煎じて朝に晩に飲みやがれ。グロテスクなエゴイズムをいけしゃあしゃあとさらす恥知らずな輩どもには隕石が直撃しちまえ。
 親と子は一生のあいだにいつか他人になっていく。しかし、夫婦は小さな鑿で巌を穿つようにして互いの「絆」を結び合う。もちろん、生きつづけていれば生老病死、愛別離苦、喜怒哀楽、裏切り、憎しみ等々、うんざりするほど多くの事態に遭遇する。都合のいい「言い訳」を編み出して現在の不全感をやりすごすこともある。快楽。昂揚感。これはどうしようもない。避けようがない。たとえそうであったとしても、そのときどきで様々な、実に色々の問題があったとしても、それもまたひとつの歴史になっていく。森羅万象をさえ包みこむような叙事詩となる。『ハリーポッター』より『アーサー王伝説』より『指輪物語』より『オデュッセイア』より壮大でリアルな物語は紡がれる。たかだか百年足らずの話ではない。われわれヒトは人類史250万年、さらに言えば宇宙創世130億年の物語、神話、伝説の最先端を生きているのだ。ビッグバンもゼウスの怒りもインドラの剣もわれわれの中にあるとさえ言いうる。それでだけではない。われわれは千年後、万年後にまでもつづく空前絶後な未完の物語の渦中にあるのだ。ことの善悪正邪をさえ飲み込んでこの物語はつづく。だれもがその物語の登場人物であり、主人公となる。できうればいい物語になればいい。そして、ここが肝心なところだが、現在、家族の遺伝子の最先端を生きている者の責務はじいちゃんやばあちゃんやおやじ殿やおふくろ様の物語を次の世代に語り継ぐところにこそある。目先、現在の不遇など取るに足りないことだと笑い飛ばしちまえ。そのために家族はいる。家族のない者はとっとと家族をつくれ。そして、新しい「家族の物語」を作りはじめろということだ。
「家族」という物語の主題曲が輪舞曲になるのか狂詩曲になるのか交響曲になるのか、はたまたジャズやブルースになるのか、あるいはAFRO-BEAT、レゲエ、HIP HOPになるのか。『家族になろうよ』だったら福山雅治もきっと本望だろう。






     
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