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シリアル・コーン・キラーズ#1


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 ブラザー・コーンの無様な改心ぶりに業を煮やしたミリョ・クコリカとコリョ・クコリカのクコリカ兄弟は夢の球場づくりにかまけて仕事をしない唐変木の父親に言った。
「仕事しろ! くそじじい! あしたどころか今晩喰うとんがりコーンもキャラメル・コーンもないんだぞ!」
「まあまあ。おまえたち。そうとんがるな。とんがるのはとんがりコーンちゃんにまかせておきゃいいし、キャラメルだのキャラメリゼだのタルト・タタンだのはライフ・スタイル自慢に日も夜もないバカ主婦どもが涎垂らしながら担当してる」
「わけわかんねえし。シリアル・コーン・リーグなんかやるからこんなことになるんじゃねえかよ」
「なにを言う早見優。ああ言えば上祐。こう言えば東浩紀。そう言えばもう三日もセックスしてないなあ」
「おっさんおっさん。自分の子供を前にしてセックスとか言うのはどうなの? 教育上」
「教育はすべて尾木ママにまかせてある」
「なんだよ。そこかよ」
「まあ、あれだ。とにかく、夢の球場をつくってシリアル・コーン・リーグが開幕すればかならずやつはやってくる。そうすれば一夜にしておれたちは大金持ちだ」
「やつってのはライ麦畑で球拾いをしている最中にバナナフィッシュに喰われて死んだホールデン・コーンフィールド・バナナマンの馬鹿野郎のことだろう?」
「ちがう! バナナマンではない! ホールデン・コーンフィールド・バナナボートマンだ。ここ重要」
「バナナマンだろうとバナナボートマンだろうとナタリー・ポートマンだろうといいからよ、おれたちはもう腹がへってケロッグに身売りするしかないんだ。ジェネラル・ミルズやクエーカー・オーツやポストなら即日コーンスターチかコーンミールにされちまう。なんとかしてくれよ、とうちゃん」
「玉蜀黍万事辛抱、塞翁が丙午だ。腕白でもいい、万博は大阪しか行っていないがたくましく育って欲しい」
「わけのわからない能書きだか効能書きだかはもううんざりだぜ、とうちゃん。第一、ろくにめしも喰ってねえのにたくましく育つわきゃねえだろうがよ」
「武士は喰わねど爪楊枝というお経もある。お釈迦様が言っているんだからまちがいない」
「爪楊枝? んでもって、お経だあ? あんた、東大出てるってほんとか?」
「うそに決まってるだろうが。銀行屋にそう言やあ融資の審査がスムーズに行くと思ってな。出身はキリバス領クリスマス島の北の岬の灯台だ」
 そこへバナナマンのシタラとヒムラがやってきた。
「あ。バナナマン」
「あ。あごなし歯なしのヒムラ」
「あ。トーブ鉄道の元車掌」
「トーブじゃねえし。セーブだし。車掌やったことねえし」
「あごねえし。歯もねえし」
「黙れ。セイウチ」とシタラ。
「黙る。セイウチ」とヒムラ。

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 アーリー・アイオワ風に開け放たれた南向きの窓からトウモロコシ畑の香ばしいざわわな風が吹き込んでくると、ついにバナナボートマンが「Day-o, Day-ay-ay-o, Day, me say day, me say day, me say day Me say day, me say day-ay-ay-o」と『ナット・アダレイ・ワークソング』と『ハンク・モブレー・ワークアウト』を大声で歌いながらやってきた。W.P. キンセラと裸足のジョー・ジャクソンとシュガー・レイ・ロビンソンとジャッキー・ロビンソンとあらかじめ失われたアノニマス・ガーデンの庭師のアンダーソンとハリー・ベラフォンテとタリマン・タリバンとメメント・モリ・ジャマイカとサワムラ・ワンダーボーイ・エージとハロー・スタンカとロシアン・ルーレット・スタルヒンとスター・フライ・ホースとMLBボール養成ギプス・フェアリーとハナガタ鍵盤ダンスとグッド・ハーベスト左門とオータ(1969年夏、18回262球の激投)コージとジョン・ハーヴェイ・ケロッグとミルズ将軍とクエーカー・オーツとジョン・オーツとシュガー・フロスティー・トニー・ザ・タイガーとゴールデンハーフとチョキュラ伯爵とフランケンベリーとネーネーズとディアマンテスとブー・ベリーとスナップ・クラックル・アンド・ポップとトリックス・ラビットとディグ・エム・フロッグとL.C. ラッキー・レプレチャウンとトゥーカン・サムとキャプテン・クランチとソニー・ココア・パフとバズ・ビーとハニー・ナッツ・ビーとサニー・ライズン・ブランとスーパー・ゴールデン・クリスピー・シュガー・ベアとベビー・マイキー・オールドボーイとトルネード・ノーモとチャルメラ・デラを引き連れて。彼らこそシリアル・コーン・キラーズの面々だった。シリアル・コーン・リーグの開幕まであと2週間。

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