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ウォンバット戦闘団#1

   沈黙の内なる野生の呼び声    2013年春の盛りの「1973年のピンボール・マシンのガラスの上に置かれた『万延元年のフットボール』」に関するピンチヒッター調書 パンデミック型万延元年のフットボールのゲーム開始のホイッスルが吹き鳴らされたのは1860年の早春のことだ。153年前。吾輩はまだヨチヨチ歩きだった。鬼になっていないどころか、鬼の存在すら知らなかった。となりのトトロ部屋ではユチーキ・フザクーワがウェ...

鬼に訊け#1 鬼が来た。

  鬼が来た。予想もしなかった方角から。   鬼だ。鬼になりたかったんだ。鬼ごっこの話ではない。正真正銘、本物の鬼だ。やっとなれた。いや、鬼になっていたことに気づいた。きのうのことだ。吾輩の修羅の日々の一端を知る古い友人との他愛のないやりとりがきっかけだった。 こどもの頃から「鬼ごっこ」の鬼をやるのが好きだった。自分から志願して鬼役をやった。ほかのこどもたちは鬼を志願する吾輩が理解できないらしく、...

飛ばない豚はただの豚だ。捨てない人間はただの馬鹿だ。

   飛ぶ豚はいつかどこかに着陸するが、飛ばない豚はどこにも行けない。喰われるのを待つだけだ。 泡の時代が終わったとき、スッテンテンのスッカラカン、信用なし一文無し宿無しになった。そばにいたのは虹子だけだった。すり寄ってきていた三下奴どもは蜘蛛の子を散らすようにいなくなった。カネの切れ目が縁の切れ目とは人間社会における永遠の真理だ。しかし、吾輩は大笑いした。一生のうちにそうそう経験できないことを経...

On the Road, On the Beat, And Load Out#5 苔院の午後のあとで。

   苔院の午後は静かに終りを告げようとしていた。苔院は古刹。イケナイ苔院。もう世界がギシギシジュワジュワと音を立てている。坊主と門前の小僧は習わぬHIP HOPでTHUG LIFEまっしぐらだ。そして、四天王も十羅刹も薬師如来も観世音菩薩も大日如来までもが肌を露わにして踊り狂っている。傍らの奥崎ケンゾーと牡蠣崎柿右衛門はぴくりとも動かない。森の漫才師サルーは暮れなずむ青山通りに向かって言った。 「さて。そろそろ...

世界ハフュッフェン会議#1

   思えば、芽崎カエルの人生が狂いだしたのは「第35番世界ハフュッフェン会議」にアザブジュバーンス・ドンク・ジュ・スゥイ・タリーズ・オープンテラス代表として向いのドラッグストアの小太りサプリメント女並びに榛色のグレートデーンを連れた白のBentley Azureオープンをいつもスカしてドライヴ・ドライヴの右腕にタトゥー、左手にiPAD愛人マンション365日24時間対応不機嫌女とともに出席したのがきっかけだった。ギャラは...

多次元ビブリオテカ#3

    005 語りつくせぬことについて沈黙するかぎりにおいて、沈黙は金である。「語ること」と「語られること」のあいだには、いかなる冒険者であろうとも征服しえない深い闇が広がっていて、その闇に光をあて、暴きだし、あらわにすることが言葉の祖国に帰還するためには必要だ。その意味において、"沈黙は金、饒舌は銀" なる言葉は語ることができない者の免罪符にすぎない。彼らは永遠に言葉の祖国には帰れない。語れ。まず、語...

多次元ビブリオテカ#2

  ひょんなことから手に入れた人生の日々が、日ごと消滅すべき新しい理由を提示してくれるとはなんと素晴らしいことであるか。E.M.C.私が夥しいほどのテクストを読むのは自分の孤独よりも遥かに深く重い孤独にいつの日か出会えるのではないかと期待しているからだ。 E.M.C.存在を続行するか。あるいは、存在を打ち切るか。お生憎様。どちらも御免蒙る。 E.M.C. 001「方法的懐疑」というシロモノが吾輩は大嫌いである。もちろん、...

異世界レストラン#1 ミセス・クロスティーニとミス・ブルスケッタの立ち位置をめぐる暗闘

  異世界の食堂には死と幻想の匂いが漂っている。  ミセス・クロスティーニとミス・ブルスケッタの立ち位置をめぐる暗闘 極東極北の漆黒の夜空を轟音とともに凶兆の彗星が超高速で飛翔して焦がし、祇園町の清楚な裏通りを稽古を終えた芸妓の二人連れが楚々として歩き、百獣の王とバッファローの午後のダンス・ダンス・ダンスが終わり、シロクマくんのジャンプ・ジャンプ・ジャンプ・レッスン、「氷山上のアリア」が山場を迎え...

いつのまにか少女は

 Shooted by maki+saegusa(SAEGUSA FULCRUM POINT)  その少女の存在を知ったのは1982年の冬だった。世界は「火の七日間戦争」から千年を経て腐海に覆われ、さらに悪いことには土鬼どもが東と西に別れて対立し、人々は「冷戦」という名の冷酷非情な心理戦に翻弄されていた。さらには、少数の富める者と多くの貧しき者たち、持てる者と持たざる者は北と南に別れて対峙し、人々は「搾取」という名の桎梏に繋がれて日々を生き延びる...

「三枝点」をめぐるいくつかの視点#1

   イラッシャーイ。宇宙人生構造力学上、もっとも重要な概念である「三枝点(SAEGUSA FULCRUM POINT, SAEGUSA SUPPORT POINT)」について述べる。「三枝点」は次の3点からなる。 1. 新たな自分への旅が、その刹那に始まる地点 2. 新たな世界への扉が、その刹那に開かれる地点 3. 新たな宇宙への時間が、その刹那に動き出す地点 三枝点について論及する前にわれわれは時間についての問題を共有することから始めなければならな...

不条理ゆえに吾信ず#2

   鴎外の『雁』には不忍池を泳ぐ雁に石礫を投げつけたところが、みごとに命中して雁が死んでしまうという不条理劇のワンシーンのような場面がある。この雁をめぐるエピソードは『雁』を象徴するものだ。吾輩にはこの話と寸分たがわぬ経験がある。吾輩は尻の青みのとれぬ野心だけは満々の法学の徒であった。異なるのは不忍池ではなく三四郎池であるという点。 その日、吾輩は團藤重光に「人格的責任論」をめぐる種々の問題で愚...

不条理ゆえに吾信ず#1

 セブン-イレブンのレジで髪の毛をキンキラキンに染めた若造が吾輩の商品に関する問いかけに返事をしないばかりか、こちらを見もしないので憤怒、激情が瞬時に沸き上がった。パンツの右ポケットの中の小刀を握りしめ、ポケットの中で鞘を抜いた。抜き身を躍らせた。吾輩の右手に握られているのはモンブランのマイスターシュテュック149だった。キンキラキン坊主はこのとき初めて口を開いた。「いい万年筆ですねえ。ボクもずっと使...

小春おばさん、会いにいくよ

  小春おばさんが死んだ。102歳。大往生だ。小春おばさんは一人暮らしだった。子供はいない。親戚すらいない。天涯孤独。こどもの頃、冬将軍様がおでましになり、風に焚火の香ばしいような匂いが混じりはじめると小春おばさんの家へ行った。そして、普段は決して口にすることのできない御馳走をたらふく食べ、縁側で小春おばさんの話を聞いた。小春おばさんは吾輩にあれやこれやのおいしいものをいくらでも食べさせてくれた。帰...

詳細を知らない芽崎カエルと、彼の巡洋の都市#3

 Shooted by zankuro / Gauriaria   一時的に取り調べから解放された芽崎カエルは自宅には帰らずに七里ケ浜駐車場に向かった。強い南風が吹きつける七里ケ浜駐車場レフト・サイドにしばしたたずみ、芽崎カエルは鼠が死に、村上春樹が殺されるまでの日々を思った。つらく困難に満ちていて、風向きの悪い日々だった。羊系やら双子系やらが不自然に登場する日々でもあった。強い南風が吹きつける七里ケ浜駐車場レフト・サイドにも...

マシンガン・タイプライター#1

    タイプライターを永遠に叩きつづければ、猿でもいつの日か『オデュッセイア』と『イーリアス』と『聖書』と『神曲』と『ガルガンチュワとパンタグリュエル』と『カラマーゾフの兄弟』と『失われた時を求めて』と『ユリシーズ』と『フィネガンズ・ウェイク』と『老人と海』と『長いお別れ』と『羊をめぐる冒険』と『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』と『虹のコ...

おとなの恋の終わらせ方 - Make Love to Me

   Make Loveで検索すれば、2,147,483,647件の有象無象がヒットする世界に向けて宣う。小僧っ子小娘は以下を読むべからず。 恋は必ず終わる。恋とはなんだ? 「快楽」「快感」の追求である。ヤルことに夢中になっていないのであるならば、それは恋ではない。ただの生活、どこにでも転がっている「人生」だ。ヤリたくてヤリたくしかたないのが恋だ。「ヤリたくてヤリたくしかたない」というメンタリティがない者、理解できない...

ジビエなジブリがいっぱいの春

    ジビエなジブリがいっぱいの春とクマのカントリーロードごはんとアキない居酒屋キュイジーヌ  人生の「横浜の銀狐のメリーさん、とっととゴーゴー&ラウンド黄金町スウェーデンして!」に翻弄されるとなりのトトロとときには昔の話をしようと決めたある晴れた日の散歩の帰り、崖の上のポニョめがけて空から降ってきた少女が教えてくれた風の通り道を海の見える街行きの猫バスが走り、風の伝説を伝えるテルーがあの夏へい...

夜ふけの車の中で静かな痛みをともなって終りを告げる恋

  『Nuovo Cinema Paradiso』をみたのは泡の時代の真っただ中だった。世界で一番若かった。世界で一番傲り高ぶっていた。世界で一番愚かだった。本気で世界一の大金持ちになれると思いこんでいた。風向きが変わり、土砂降りの日々が数年後にやってくるとも知らずに。脇役であるとも知らずに。脇役ですらなかったとも気づかずに。『Nuovo Cinema Paradiso』で忘れられないのは、映画監督として成功した初老のトト、サルヴァトーレ...

タミーノの歌、トミノの地獄

   フリーメーソンのグランド・ロッジから密命をうけた性悪女三人組に次々と脈絡のないものを渡された鳥刺し男のパパゲーノは、ここぞとばかりにタミーノから教わった必殺歌を歌った。『トミノの地獄歌』だ。声に出して読めば聴いた者ともども地獄に堕ちる。頭の中で考えただけで凶事が起きる。恐ろしい歌があったものだ。田嶋陽子の『蝶々夫人』に匹敵する恐ろしさだ。 ところで、その後、パパゲーノは? 『トミノの地獄歌』...

真実のピッツァの騎士伝説#1

  ピッツァイオーロたちが帰り、厨房が静寂に支配される頃、石窯、正確にはネロ・ジ・ローマ窯から真実のピッツァの騎士は現れる。真実のピッツァの騎士の手にはウンベルト1世の王妃、マルゲリータ・マリーア・テレーザ・ジョヴァンナ・ディ・サヴォイア=ジェノヴァより授かった「真実のピッツァの騎士のしるし」がかたく握りしめられている。「真実のピッツァの騎士のしるし」は中心に19世紀末のナポリのピッツァ職人、ラファ...

悪魔が来たりて肉を喰う。悪魔の名はダニーボーイ

  悪魔がやってきた。悪魔の名はダニーボーイ。1歳3ヶ月。アメリカン・ピット・ブル・テリア。通称、ピットブル。途轍もない。桁外れ。規格外。全身筋肉。犬の皮をかぶった悪魔。論外。頑強。剛健。強靭。俊敏。好戦。孤高。獰猛。勇猛。果敢。邪悪。凶悪。凶暴。不屈。冷酷。非情。不撓。手加減なし、容赦なし。そして、従順にして純情。土佐犬の大横綱が尻尾を巻いた百獣の王ライオンの檻の前で一歩も引かずにライオンを睨み、...

「千と千尋の神隠し」に遭う#1

  粉々に砕け散った鏡にも新しい景色は映される。Payao世界が接続詞と前置詞でできあがっていることを知った朝、「千と千尋の神隠し」に遭った。「千と千尋の神隠し」は天井をまっぷたつに引き裂いて降りてきた。「千と千尋の神隠し」は榛色の布を体に巻きつけ、長押を担いでいた。そして、吾輩の両肩に無造作に左右の手を置き、「イマ、ココハ、戦場ダ。」とくぐもった声で言った。イマ、ココハ、戦場ダ。『千と千尋の神隠し』...

東京ディープ#1

    東京は日々誕生し、刻々と死ぬ。 東京は深部、深場だらけだ。路地を一本入っただけでディープな光景が矢継ぎ早に目に飛び込んでくる。目線、眼差し、聞き耳、嗅覚、手触り、速度、そして覚悟。あるいは直感。あるいはひとかけらの勇気。必要な道具はそれだけだ。「トーキョー海っぱた探索」の帰路、暮れなずむ晴海埠頭の深部へとなにかに誘われるようにして迷い込んでみた。吾輩を誘ったのは東京の磁力でもあったろう。磁...

トロンプ・ルイユ氏のまごうかたなき真実の眼と精神の旅#2

   散種する者の一族の建築物に関する若干のディスクール トロンプ・ルイユ邸の主館である虹色の館が抱える表層/表皮の問題については、かつてモノリス・メルロー=ポンティ教授自身が視察に訪れ、おおよそ次のような感想を記している。 ルイユ邸の「虹色の館」が果たして現象学の対象となるか否かの問題は、ひとえにその表層/表皮にいったいなにを読み取り、なにを捨象するかという態度いかんにかかっている。このことは「現...

パリ北駅発、現象。バラ色の人生。

   パリ北駅4番線ホームにおける知覚の現象学的手法 遠い異国から来た若者はすでに列車の中だ。遠い異国から来た若者は生涯最高にして最悪の旅に出ようとしている。 遡ること数時間前。わが要塞、わが知の胎内。わが知覚の現象学的手法が誕生する場。 朝、いつものように眠られぬ夜をやりすごし、ベッドから抜け出すと遠い異国から来た若者が居間の中央に正座し、神妙な面持ちで吾輩を待っていた。「おはよう。どうした? こ...

トロンプ・ルイユ氏のまごうかたなき真実の眼と精神の旅#1

   トロンプ・ルイユ氏がモノリス・メルロー=ポンティ教授の足跡をたどろうと思い立ったのはリオネル・ハンプトン・ホーズ・メッシがリアル・マドリガル戦においてトリプル・ハットトリックを達成した翌朝のことである。 トロンプ・ルイユ氏の「モノリス・メルロー=ポンティへの旅」の出発点はモノリス・メルロー=ポンティ教授が生まれ育ったロシュフォール=シュル=メールだ。 トロンプ・ルイユ氏の「モノリス・メルロー...

On the Road, On the Beat, And Load Out#4 路上の結末(4/42)

  神軍平等兵、日本列島GO'S ON! いつでも過激! どこでも攻撃! ゆきゆきて、神軍! 知らぬ存ぜぬは許しませぬ! カキザキ、玄能を持て! 偽物ボブとマーサー・ガーサーの登場によって時間は容赦なくねじくれ、われわれは元の時間、元の場所、真冬の昼下がりの日比谷公園の噴水前にいた。「たとえばこんなふうに」と森の漫才師サルーは言って噴き上げる噴水の軌跡に向かって指先をひとひねりした。宙空で水の軌跡は一瞬身震...

On the Road, On the Beat, And Load Out#3 路上の結末(3/42)

     史上最高の植物漫才コンビ、フェルディナント・フォン・ソシュールミューラーとジャン・ジャック・マグナムを乗り越えることが私と森の漫才師サルーの当面の目標だった。 私と森の漫才師サルーは国会議事堂の正門前で並んで立ち小便をし、警備の警察官どもに追いかけられた。自民党本部あたりで息が切れかけたが、われわれには捕まるわけにはいかない事情があった。マーサー・ガーサー爆弾を持っていからだ。マーサー・...

On the Road, On the Beat, And Load Out#2 路上の結末(2/42)

   さあ、出発しよう。そして、歩きつづけよう。いつまでも。どこまでも。ピスタチオのように香ばしく、マカダミアン・ナッツのようにしたたかに。 E.M.M. うしろから肩を叩かれる。森の漫才師サルーだった。森の漫才師サルーは噴水の水溜りの中に膝まで浸かっていた。森の漫才師サルーは震えながらヘッドフォンを外すように促す仕草をした。初舞台に立った新人俳優のようにぎこちない動きだったが十分に森の漫才師サルーの意...

On the Road, On the Beat, And Load Out#1 路上の結末(1/42)

    ビートきかせてGO! GO! GO! 日比谷公園の噴水から渋谷の金王坂歩道橋上までの話だ。 いまに至るも唯一の友人である森の漫才師であるサルーと出会ったのは1981年の冬のことだ。その日、私は家庭教師のアルバイトをキャンセルし、朝から銀座地球座で『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』をみたあと、有楽町スバル座で『レイジング・ブル』をみて、さらに銀...

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プロフィール

自由放埒軒

Author:自由放埒軒
Festina Lente.
No Pain, No Gain.
Fluctuat nec Mergitur.
R U Still Down Gun 4?
玄妙の言葉求めて櫻花
薄紅匂う道をこそゆけ

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