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On the Road, On the Beat, And Load Out#5 苔院の午後のあとで。

   苔院の午後は静かに終りを告げようとしていた。苔院は古刹。イケナイ苔院。もう世界がギシギシジュワジュワと音を立てている。坊主と門前の小僧は習わぬHIP HOPでTHUG LIFEまっしぐらだ。そして、四天王も十羅刹も薬師如来も観世音菩薩も大日如来までもが肌を露わにして踊り狂っている。傍らの奥崎ケンゾーと牡蠣崎柿右衛門はぴくりとも動かない。森の漫才師サルーは暮れなずむ青山通りに向かって言った。 「さて。そろそろ...

On the Road, On the Beat, And Load Out#4 路上の結末(4/42)

  神軍平等兵、日本列島GO'S ON! いつでも過激! どこでも攻撃! ゆきゆきて、神軍! 知らぬ存ぜぬは許しませぬ! カキザキ、玄能を持て! 偽物ボブとマーサー・ガーサーの登場によって時間は容赦なくねじくれ、われわれは元の時間、元の場所、真冬の昼下がりの日比谷公園の噴水前にいた。「たとえばこんなふうに」と森の漫才師サルーは言って噴き上げる噴水の軌跡に向かって指先をひとひねりした。宙空で水の軌跡は一瞬身震...

On the Road, On the Beat, And Load Out#3 路上の結末(3/42)

     史上最高の植物漫才コンビ、フェルディナント・フォン・ソシュールミューラーとジャン・ジャック・マグナムを乗り越えることが私と森の漫才師サルーの当面の目標だった。 私と森の漫才師サルーは国会議事堂の正門前で並んで立ち小便をし、警備の警察官どもに追いかけられた。自民党本部あたりで息が切れかけたが、われわれには捕まるわけにはいかない事情があった。マーサー・ガーサー爆弾を持っていからだ。マーサー・...

On the Road, On the Beat, And Load Out#2 路上の結末(2/42)

   さあ、出発しよう。そして、歩きつづけよう。いつまでも。どこまでも。ピスタチオのように香ばしく、マカダミアン・ナッツのようにしたたかに。 E.M.M. うしろから肩を叩かれる。森の漫才師サルーだった。森の漫才師サルーは噴水の水溜りの中に膝まで浸かっていた。森の漫才師サルーは震えながらヘッドフォンを外すように促す仕草をした。初舞台に立った新人俳優のようにぎこちない動きだったが十分に森の漫才師サルーの意...

On the Road, On the Beat, And Load Out#1 路上の結末(1/42)

    ビートきかせてGO! GO! GO! 日比谷公園の噴水から渋谷の金王坂歩道橋上までの話だ。 いまに至るも唯一の友人である森の漫才師であるサルーと出会ったのは1981年の冬のことだ。その日、私は家庭教師のアルバイトをキャンセルし、朝から銀座地球座で『ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう』をみたあと、有楽町スバル座で『レイジング・ブル』をみて、さらに銀...

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プロフィール

自由放埒軒

Author:自由放埒軒
Festina Lente.
No Pain, No Gain.
Fluctuat nec Mergitur.
R U Still Down Gun 4?
玄妙の言葉求めて櫻花
薄紅匂う道をこそゆけ

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