FC2ブログ

Entries

スポンサーサイト

君よ、帰らぬ夏を惜しめ。Carpe Diem. その一日の花を摘め。

   8月は夏が急ぎ足で通りすぎてゆく。永遠につづくかと思われた夏の終りの足音がかすかに聴こえはじめた。 君よ、夏を惜しめ。Carpe Diem. その一日の花を摘め。『夏の思い出』(江間章子作詞/中田喜直作曲)はすごく好きな歌だ。メロディも歌詞もすこぶるよい。夏の盛りがやってきて入道雲がわき上がった空を見ると『夏の思い出』を口ずさんでいる。 こどもの頃、夏は苦手だった。夏の暑さがだめなのだ。いまでは信じられない...

ミモザが咲く頃を過ぎても

   そう。あれは2008年の5月の第2金曜日だった。六本木ヒルズのけやき坂がミモザの花で埋めつくされたのだ。ミモザの香りは麻布十番商店街、元麻布と南麻布界隈、そして広尾にまで及んだ。 ミモザのちょっと引っ込み思案な香りはときどき人の心をやさしくする。けやき坂がミモザで埋めつくされたあの日もそうだった。けやき坂を歩く人は皆一様に足をとめ、一面のミモザに見とれ、そして一輪だけミモザを持ち帰った。どの顔にも...

パリ北駅発、現象。バラ色の人生。

   パリ北駅4番線ホームにおける知覚の現象学的手法 遠い異国から来た若者はすでに列車の中だ。遠い異国から来た若者は生涯最高にして最悪の旅に出ようとしている。 遡ること数時間前。わが要塞、わが知の胎内。わが知覚の現象学的手法が誕生する場。 朝、いつものように眠られぬ夜をやりすごし、ベッドから抜け出すと遠い異国から来た若者が居間の中央に正座し、神妙な面持ちで吾輩を待っていた。「おはよう。どうした? こ...

メメント・モリ! 死を思え。「死」もまた「生」の一部なのだ。

   懇意にしていただいているSさんの奥さまが亡くなった。三年におよぶ癌との闘いを経て。葬儀は玉川上水を見下ろすマンションの一室でひっそりと行われた。近しい人だけが集まり、亡くなった奥さまを偲んだ。それは葬儀というよりも「お別れ会」といったような慈しみにあふれた集まりだった。ひとかけらの宗教色もなく、透明感にみちていた。 亡骸の枕元には奥さまが好きだったというかすみ草がひと抱え飾られ、タンノイのス...

最後の春休みのロッカー室に「桜の栞」を盗みにいく

   朝起きるとベランダの隅に20センチほどの桜の花だまりができていた。ゆうべの強い風が散らせたのだ。今が盛りだというのに。「盛る花もあり、散る花もあり」ということでもあるか。根方に死体の埋まった桜から散った花びらでもあるまいが、かすかに狂おしいような眺めだった。 暗鬱で悪意に満ちた冬が終わり、待ちに待った春。梅が盛りを迎えたあと、桜の蕾がほころびはじめて卒業シーズンが近くなると松任谷由実の『最後の...

Appendix

プロフィール

自由放埒軒

Author:自由放埒軒
Festina Lente.
No Pain, No Gain.
Fluctuat nec Mergitur.
R U Still Down Gun 4?
玄妙の言葉求めて櫻花
薄紅匂う道をこそゆけ

最新トラックバック

カテゴリ

Festina Lente.

R U Still Down Gun 4?

カレンダー

05 | 2019/06 | 07
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
小説・文学
798位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
オリジナル小説
116位
アクセスランキングを見る>>

QRコード

QR

樽犬の子守唄

Didie Merah
Blessing of the Light

樽犬が全速力で探します。

    上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。